年末年始、高齢の親を持つ子世代が行いたいこと、行わないほうがいいこと~『親不孝介護』の著者に聞く・後篇~
来たる2025年を前に、高齢の親を持つ子世代が行っておくべきことを、前回から『親不孝介護』著者のお二方に聞いている。(前編) 【画像】年末年始、高齢の親を持つ子世代が行いたいこと、行わないほうがいいこと~『親不孝介護』の著者に聞く・後篇~ 前回は、介護が始まる前から準備しておくべきこととして「地域包括支援センター(以下、包括)」にアクセスすることを勧めていただいた。 今回は、「年末年始の時間があるときに、行っておくといいこと」や、逆に「行わないほうがいいこと」について、引き続き、お二方に伺う。
1日でも早く親に会うべし?
2022年に刊行された『親不孝介護』(日経BP)は、東京で妻や子供たちと暮らしながら、実家・新潟で一人暮らしをする母親の遠距離介護に挑んだ編集Yこと、当時50代の編集者・山中浩之さんの5年間の実録である。 山中さんに降りかかる折々の出来事や悩みに、プロの立場から助言しているのが「NPO法人 となりのかいご」代表の川内潤さん。川内さんが山中さんの疑問に答えたり、より幅広い情報を提供したりしてくれているために、読者は読むだけでリアルな介護を追体験しつつ、有益な情報を得ることができる。 本の第一章は、こんな言葉から始まっている。 「ダマされた!と思って、とにかく1日でも早く親に会うべし」「まだ早いかな?」は たぶんもう「危ない」です――。 どういうことなのかというと、親の今の様子をきちんと認識することが、介護についての心構えのみならず、病気などの進行(の抑制)や、その後のお互いの暮らし方、さらには生活の質にまで影響するというのである。 山中さんご本人は、新潟で一人暮らしをしている高齢の母親を持ちながらも、親の老化から目を背けたい気持ちがあり、帰省を先延ばしにしていた。その結果、久しぶりに帰った実家で親御さんの不安定さを急に認識することになった。 その体験から山中さんは、不安があれば一刻も早く親に会い、どのように暮らしているのかを確認したほうがいいと語る。では、いざ親元に行ったら何を確認すればいいのだろうか。