「Linux」に関する6つの俗説を論破--「ターミナルの使用は必須」なのか?
4. Linuxでは自分に必要なソフトウェアが利用できない 次のことを考えてみてほしい。ソフトウェアをインストールする方法は以下のように複数ある。 標準のリポジトリー サードパーティーのリポジトリー ソース 「Snap」 「Flatpak」 「AppImage」 「Wine」 「Steam」 これらを総合して考えると、Linuxで利用できるアプリは山ほどある。 しかし、大多数のユーザーはウェブブラウザーで時間を過ごす(Statistaによると、その時間は1日あたり平均6.36時間だという)。一般的な勤務日に当てはめて考えると、ほかのアプリケーションに費やす時間はあまり残されていない。 「Microsoft Office」を使う必要がある場合、「Office 365」はほとんどのブラウザーで問題なく動作する。「Spotify」で音楽を聴く人も、ブラウザーからアクセスできる。「Slack」はどうだろうか。答えは「イエス」だ。「Microsoft Teams」も同様である。 実際、Linuxには多くのソフトウェアがそろっている。Linux版がないWindowsアプリに出会った場合でも、「Wine」(WindowsソフトウェアをLinuxで動かすための互換レイヤー)を使って実行を試みることができる 5. Linuxは難しい 筆者が最初にLinuxを使い始めた頃はかなり大変だった。しかし、この20年間でデスクトップLinuxは誰でも使えるほど簡単になった。 筆者の父はコンピューターにあまり詳しくなかった。父が初めて購入したコンピューターには「Windows 7」が搭載されていたが、次々と問題が発生した。そこで、筆者がWindowsの代わりに「Ubuntu Linux」をインストールしたところ、順調に動作するようになり、父も簡単に使用できるようになった。父は「Linuxは難しい」と聞いたことがなかったので、すぐに使いこなせたのだろう。父は、それまで使っていたものよりも簡単だろうと考えて使い始め、その予想は正しかったというわけだ。 筆者は初期の頃からLinuxの進化を見守ってきた。今日のLinuxは当時のものよりも飛躍的に使いやすくなっている。 6. Linuxは多くの周辺機器をサポートしていない 筆者の所有している周辺機器には、macOSで動作しないものがある。適切なドライバーを見つけないとWindowsで検出されないものもある。例えば、筆者の持っているブラザー工業のレーザープリンターは、macOSで問題を引き起こし、Windowsでもドライバーをインストールするまで認識されない。ドライバーを見つけるのにはかなりの時間がかかる。 しかし、Linuxはこのレーザープリンターをすぐに認識してくれる。ドライバーをインストールする必要もない。その一方で、何をしても動作しないスキャナーもあった。 周辺機器は実際に試してみないと分からない。プリンターは特に厄介だ。PCのサポートをしていた頃、筆者はおそらく勤務時間の80%をプリンターの問題解決に費やしていたはずだが、原因はいつもWindowsにあった。MicrosoftのデスクトップOSは世界で最も広く使われているため、ほとんどの周辺機器はWindowsを念頭に置いて設計されている。それでも、Windowsが一部の周辺機器とうまく連携できないことがある。 筆者の意見では、どのOSを使っているかに関係なく、周辺機器の動作は運次第だ。しかし、筆者の経験では、1997年以降、Linuxで動作しなかった周辺機器はほんのわずかしかない。これは非常に優れた実績だ。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。