【最新Q車事情「レストモッド最前線」国産車編】TOM’Sが取り組むトヨタ・ヘリテージモデルの「転生」に期待大!レースとカスタマイズのノウハウが、新たな価値を生む
最新設備が整うコンプリートカー用ファクトリーで製作
とくに近年、力を入れているコンプリートカー事業で培われてきたノウハウ、ネットワークが生きている一面もあります、と谷本氏。 「ピュアなレストアとともに、中身や外観を現代風にモディファイすることも可能です。たとえば内装系ならば、センチュリーやレクサスLMといった、ラグジュアリー系のコンプリートモデルを手掛けてきたことが、生きていますね」 走行性能面での安心感や室内空間の質感など、居心地の良さ、快適性をグレードアップできるのが、レストモッドの醍醐味。そこにもトムスのモノづくりに対するこだわりが、反映されています。 「取引のある職人さんや、そういう専門家集団は、みんな変わらず頑張っています。歴史の長い内装屋さんに頼むと、古い車両が現役だったころに手掛けた経験値を持っている場合もあります。トムスでも、エンジンチームのベテランが腕を振るうことができますね」
まずは「ネオクラ」世代からスタート
さて、それではどのような流れで注文を受け付けてくれるのでしょうか。 ベースとなる車両はまず、80年代後半から90年代前半ごろまでのスポーツカーを想定しています。いわゆる「ネオクラシック」と呼ばれるカテゴリーでしょう。今回、東京オートサロンでお披露目した80スープラのほか、Z20ソアラといった上級ラインナップのほか、SW20 MR2、AE92 レビンなども相談に乗ってくれそうです。 車両は基本的に、トムスが探してくれますが、持ち込みでの対応も可能。レストアのレベルにはレストモッドだけでなく、最大限ノーマルにこだわるピュアなレストアや、エンジンのみ、足回りのみといった部分レストアの相談にも応じてくれます。 ベース車のコンディションや、消耗部品など部品の調達に時間がかかる場合もあることから、一概には決められないそうですが、製作には半年ほどかかるそう。作業は御殿場テクニカルセンターで2023年に稼働したコンプリートカー製作ファクトリーで行います。 気になるお値段は・・・と言えば、これもまたベース車のコンディション次第ということで、一概には提示しきれません。参考として今回、製作している80スープラは、2500万円の予価で受注を受付け、現在すでに4件の申し込みがあるといいます。 実は展示された80スープラとは別にもう1台、A20型セリカのフルレストアモデルがデモカーとして、ほぼ完成に近づいています。いわゆる初代「ダルマセリカ」は70年代のモデルですが、それなりにきれいな個体が見つけやすいのだとか。こちらは工賃、パーツ代を入れても1000万円程度の費用が目安となるそうです。