【最新Q車事情「レストモッド最前線」国産車編】TOM’Sが取り組むトヨタ・ヘリテージモデルの「転生」に期待大!レースとカスタマイズのノウハウが、新たな価値を生む
さまざまな「約束事」を明瞭にすることで、安心感を提供したい
旧車趣味を楽しむコミュニティや、顧客から寄せられる様々なお悩み相談をとおして谷本氏は、「旧車趣味の世界観を変えたいな」と考え始めたそうです。ヤングタイマーも含めて広義での「日本の自動車ヘリテージを安心して楽しむ」ためにできることを、目指しているといいます。 それではトムスとしてできることはなにか・・・谷本氏が考えた取り組みのひとつが、日本の自動車カルチャーに興味を持った若い層へのサポートでした。自動車ファンの卵たちが「乗ってみたい」と思った時の不安を払しょくすることが、夢の実現につながるはず。そのために、旧車の整備に関わる不明瞭な納期や費用観といった「曖昧さ」を、より明確にしたいと考えたそうです。 「レストア事業に寄せられた反響を見ていると、いわゆる古い世代に憧れていた50代ごろの懐かし世代とともに、最新のクルマにはない魅力に惹かれる20代頃の若者世代がボリュームゾーンになっています。そういう憧れ世代に対して、費用も納期も、しっかり約束通りに仕上げることで、信頼感というエビデンスを提供してあげたいんです」 同時に谷本氏は、そうした新世代系のネオクラシックカーファンたちが集い、自由に対話したり情報を交換したりできるコミュニティとなる場を、提供したいと考えています。実際に、御殿場テクニカルセンター敷地内に、新しいコミュニティスペースの開設を予定しているそうです。 「モノだけでなく、それを使った体験価値をセットで提供していきたいんです。それは日本の若者たちだけでなく、たとえば海外にも発信していくことができると思います。ワイルドスピードのように映画で使われたりすることもあるくらい、日本車は古くなってもカッコいい・・・そんな魅力が海外でも認知されているのではないでしょうか。だからこそ日本で自動車産業に関わっている者として、海外に日本の自動車文化を発信していく、そんな取り組みをより積極的に進めていきたいですね」