人気YouTuberと“茶番ドロー”のメイウェザーに「わざとKOしなかった」と疑惑の陰謀説が浮上
ニューヨークポスト紙は「メイウェザー対ポール戦の怪しいビデオでKO陰謀説が浮上」との見出しを取り、「試合は多くの理由で茶番とされたが、ビデオ動画は八百長だった可能性を示唆している」と生真面目に伝えた。 記事は、「ポールはメイウェザーに向かっていったが、メイウェザーは、そのパンチを外し、YouTuber(のポール)のこめかみに素早いカウンターパンチを放った。このパンチがヒットした後、ポールはぐったりしたように見えた。彼が崩れるそうになることろでメイウェザーはダウン、もしくはノックアウトとなるのを防ぐように彼を支えたように見えた。このラウンドは、そのすぐ後に終わり、ポールは残り2ラウンドも立ち続け引き分けの結果で終わることができた」と説明。 「この動画により試合は、8ラウンドを戦う八百長だったかもしれないと多くの人が示唆することになった。もしかしたら2人の“ボクシング選手”は、将来のために試合を長く保つことのインセンティブがあったのかもしれない」と、再戦の気運を高めるために、わざとKO決着をしなかったとの憶測を記した。 また「公式判定のないエキシビションだったため米国では賭けの対象にならなかったが、英国のオッズではメイウェザーが優勢だった。賭けていた人々は、この動画にがっかりしたかもしれない」と付け加えた。 英国のガーディアン紙は、この動画には触れなかったが、「実際のところメイウェザーが望めばおそらく戦いを終わらせること(KO)ができたのだろうが、彼は、観客の思いを理解し、もしかしたら利益のある再戦に目を向けて、戦いを長引かせて、金額(PPV視聴料)に見合ったものにさせようとしたのかもしれない」との見方を示した。 「ポールの最大のミスは4ラウンドにいくつかのパンチをメイウェザーにヒットさせたことかもしれない。メイウェザーは攻勢に出て5ラウンドも猛攻を続けた。ポールは、ラッキーパンチが当たることを期待してパンチを振り続けたが、メイウェザーが深刻なダメージを与える場面は一度もなかった。試合終了までにポールはパンチを217回放って28発を当てメイウェザーは107回のパンチで43発をヒットさせた。衝撃的なシーン、もしくは憎むべきポールが天罰を下されるのを見るために金を支払った観客のブーイングの中で試合は終わった」とレポートした。 実は、メイウェザーがポールを本当に追い詰めたのは、そのひとつ前の5ラウンドだった。体格差を生かしたクリンチ戦術に出てくるポールに左ボディをめりこませ、至近距離から右アッパーを顎に命中させた。ポールが不用意に繰り出した左に右のストレートをかぶせたところでは、被弾したポールが思わずクビをぶるぶるっと振ってダメージを我慢したシーンがあったのだ。結局、またクリンチで追撃を封じこまれたが、ここで強引にラッシュを仕掛ければKOシーンはあったのかもしれない。7、8ラウンドは、確かにメイウェザーは手が出ななかった。だが、再戦を見据えた意図的なものではなく、これは体重差と、ほとんどの時間をクリンチで潰され、スタミナを失ったことが原因だった。 試合後の会見でメイウェザーは「私は19歳のように演じるつもりはないが、老化がすべて。ガッティと戦ったときのように戦うことはできない」と、44歳の年齢からくる体力的な問題を自ら明かした。 リング上のインタビューでは「でかいし重いしタフだった。奴には驚かされた」と、ディスらなかったが、その後の会見では、「奴は8ラウンドを生き残るために戦った。最後まで戦い抜くことで満足したんだろう。彼は被弾する度にクリンチを繰り返した。元レスリング選手。オレをつかまえるのが得意だったわけだ」と嫌味を言った。KO決着をしたくても、体重差とクリンチ戦略に邪魔をされたが本音だろう。耐えきったポールの頑丈さも特筆すべきだが、そもそもメイウェザーは現役時代から一発で仕留めるパンチャーでもなかった。