人気YouTuberと“茶番ドロー”のメイウェザーに「わざとKOしなかった」と疑惑の陰謀説が浮上
プロボクシングの無敗の元世界5階級制覇王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア（44、米国）が6日(日本時間7日)、米国マイアミのハードロック・スタジアムで、約2万5000人のファンを集め、登録者数2310万人を誇る世界的YouTuberのローガン・ポール（26、米国）とのエキシビション8回戦を戦ったがKOできずに試合終了のゴングを聞いた。この試合は、採点をつけずKO、TKO以外の決着無しの特別ルールでヘッドギア無しの10オンスのグローブを使って行われたが、メイウェザーは16キロ以上の体重差と15センチの身長差を生かしたポールのクリンチ戦法に苦しみパンチを当てながらもダウンシーンさえ演出できなかった。海外メディアは「茶番」「失望」と厳しい論調だったが、ツイッターに投稿された6ラウンドのワンシーンの映像が拡散。「メイウェザーは実際にはKOしていたが、わざとダウンさせずに試合を長引かせた」との陰謀説が浮上し、ニューヨークポスト紙など、米の主要メディアも報じた。切り取った映像が、そう見えるだけで、ポールはそこまでのダメージを負っていなかったが、こういう話題が出るのも、この試合の注目度の高さゆえだろう。
ダウンしかけたポールをメイウェザーが支えたように見える動画が拡散
過去にアマプロ2戦の経験しかない“ボクシング素人”を相手にKO決着できなかったメイウェザーの那須川天心戦以来となる2年ぶりのエキシビションマッチの波紋は、世界を駆け巡った。 雨が吹き抜ける野外スタジアムに来た2万5000人のファンは大ブーイング。海外メディアも一様に批判のオンパレード。そして、対戦相手のポールが、登録者数2310万人を誇る世界的に人気のYouTuberとあって、SNS上でも、さまざまな炎上騒ぎが起きた。 中でも、ツイッターに投稿された、わずか6秒の映像が、すぐに120万件に視聴されるなど、またたくまに拡散した。 6ラウンド終了間際のワンシーンを切り取ったもので、ロープを背にしたポールが、右のパンチを繰り出すと、メイウェザーはそれをスウェーで外して同時に右のショートカウンターフックをテンプル付近に打ち込んだ。ぐったりとしたようにポールはメイウェザーに抱きついてもたれかかった。それをメイウェザーは左脇から手を入れて抱えるようにして支えダウンさせなかったように見えるところで動画はカットされていた。このワンシーンにファンは「メイウェザーは、実際には、ポールをKOしていたのに、わざと試合を長引かせた」との疑惑を抱いて反応。SNSが炎上したのである。 実は、これは一種の編集マジック。実際は、クリンチをふりほどこうとしてメイウェザーが体を回しただけで、直後にラウンド終了のゴングが鳴ると体を離したポールは何くわぬ顔をしていた。コーナーでは、両手をロープにかけて、疲れた姿を見せたが、これはスタミナが切れて疲労がピークに達していただけ。カウンターでグロッキーして、ダウンしかけたところをメイウェザーに助けられたわけではなかった。だが、米主要メディアも、このKO疑惑に飛びついた。 ニューズウィーク誌は、「メイウェザーとポールの待望のエキシビションマッチは、本当の勝者が宣言されず、大きな失望のレッテルを貼られた。しかし、一部のファンは、元王者のメイウェザーが、一瞬YouTuberをノックアウトしたが、戦いを続けるために彼を（倒れないように）支えたと考えている」と報道。
