トランプの勝利で、米中激突は不可避なのか…?「トランプvs習近平の暗闘史」をプレイバックする
トランプ勝利によって、米中関係はどうなるか
先週アメリカ時間の11月5日に行われたアメリカ大統領選挙は、周知のように共和党のドナルド・トランプ前大統領の「爆勝」だった。「史上稀に見る大接戦」「結果確定まで開票から1週間かかる」などと言われていたが、フタを開けてみたら大差。トランプ氏が、過半数の270人を大きく上回る312人を獲得したのに対し、カマラ・ハリス副大統領は、226人に甘んじた。 【画像】なぜトランプは「大勝利」したのか…?「最大の激戦州」の有権者が語ったこと 「雌雄(しゆう)を分ける」と言われた激戦7州では、トランプ氏が全勝。全体の獲得票数でも、トランプ氏の方がハリス氏より多く、20年ぶりに共和党候補が民主党候補を上回った。 勝利宣言でトランプ氏は、「アメリカの黄金時代が始まる」と豪語。一方、敗北宣言でハリス氏は「暗黒時代がやって来る」と評した。いずれにしても、世界はこれから4年間、2期目のトランプ政権と付き合っていかねばならない。 中国ウォッチャーとして気になるのは、「確トラ」「またトラ」と言われる状況下で、中国がどう対応していくのかということだ。米中2大国の関係には、当然ながら日本を含む世界中が左右されることになる。 そんな中、来たる米中関係の行方を暗示するかのような「小事件」が、早くも起こった。「トランプ当選」が確定するや、世界中のリーダーたちから、祝福の電話がトランプ氏のもとへ殺到した。日本の石破茂首相も、日本時間の7日午前中に「5分間の祝意」を述べたと発表した。 アメリカのメディアは一斉に、「中国の習近平主席もトランプ氏に電話をかけ、祝意を述べた」と報道した。ところが、7日に行われた中国外交部の定例会見では、毛寧報道官が曖昧な見解を述べたのだ。 ロイター記者:米CNNの報道によれば、習近平主席とアメリカのトランプ大統領当選者が(電話で)通話したという。これは事実か? 毛寧報道官:習近平主席は、すでにトランプ大統領当選者に、祝意を述べた。習近平主席が述べたのは、歴史が示しているのは、中米は協力すればどちらにも利益があり、闘えばすなわちともに傷つくということだ……。(以下略) AFP記者:CCTV(中国中央広播電視総台)は、「習近平主席がトランプに祝電を送り、アメリカ大統領選挙への当選を祝った」と報道している。祝賀の電報を送ったのか、それとも電話で話したのか? 毛寧報道官:習近平主席は、トランプ大統領当選者に祝電を送った。 ブルームバーグ記者:習近平主席はトランプに電話をしたのか、それとも祝賀電報を送ったのか? 毛寧報道官:いま回答した通りだ。習近平主席は、トランプ大統領当選者に祝電を送った。