トランプ政権で何が変わる…為替は一時円安から円高方向へ かつて「シンゾウは『イシバだけはダメ』と」語った日本との安全保障は首相次第
【日本の解き方】 米大統領選で、共和党のドナルド・トランプ前大統領が勝利した。筆者は選挙予測をすることが多く、米大統領選についても11月2日放送の大阪朝日放送の情報バラエティ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」で予測を頼まれた。 【写真】東京都大田区蒲田にある「トランプタワー」 米大統領選は全米50州と首都ワシントンの選挙人538人を奪い合うが、激戦7州でトランプ氏は「5勝2敗」、最頻値(最も頻度の高い値)は「278」で、過半数270を超える確率は6割と予測した。 結果は、米メディアの報道などによると、激戦7州でトランプ氏は全勝し、獲得選挙人は312人となった。 筆者の予測は51カ所中49カ所で的中したのでまずまずだった。結果の違いについて正直に言えば、筆者は事前の世論調査から各州の勝敗と当選確率を計算したが、実際の投票では各州ともにトランプ票が世論調査より2%程度上乗せされていた。 これはいわゆる「隠れトランプ票」とみられる。2016年当時から指摘されていたが、事前に正しく推計できなかったために、あえて「隠れトランプ」なしで筆者は確率計算したところ、2州の結果を間違ってしまったというわけだ。 それにしても、地上波の特報態勢はひどかった。民主党のカマラ・ハリス副大統領推しのコメンテーターばかりそろえていたので、予測が外れるばかりか、解説も恨み節ばかり、まるで「お通夜状態」だった。トランプ氏の勝算は事前から予測可能だったので、もう少し多様なコメンテーターを入れておくべきだったのではないか。 筆者は、社会科学が科学になるためには、「訓を垂れる」ような議論をするより、数量モデルで分析して、その出来不出来で優劣をつけるべきだと考えている。社会科学の分野では珍しい意見の持ち主だ。 数量モデルの出来不出来は予測すれば誰の目にもはっきりする。この論法は自然科学では当然であるが、それを社会科学で言うものだから既存勢力から反発される。経済学では徐々に数量モデルで議論する人が増えつつあるが、それでも予測して議論の優劣を争うまでにはいかず、相変わらず〝訓垂れ議論〟が多い。まして政治学では予測する人はまずいない。 それはともかく、次期トランプ政権で何が変わるだろうか。