日本最大のろうそく会社社長から学ぶ、ビジネスの「次の一手」を見つける方法
ストアに併設されているのは「灯MUSEUM」。薄暗い空間にたくさんのランタンをぶら下げ、そこではろうそくの灯りの美しさや炎による癒やしといった世界観を体感できます。またこの施設では、オリジナルのろうそくを作るワークショップなども開催し、大型バスで工場見学とセットになったツアーなどもあるようです。 地域の特性を最大限活かしたろうそくの総合エンタテインメント施設をつくるという谷川会長の考えこそ、地方創生や地方で素晴らしい技術や伝統工芸の会社を営み続ける方々にぜひ挑戦してほしいものだと思います。 今や多くの人々は商品にある背景を求めています。日清食品のカップヌードルミュージアムの成功例がそのひとつです。工場で製造工程を見てもらえば、企業側は安心と商品をPRする絶好の機会。もちろん、それによって社内も活性化するはずです。「こうやってできているのか」「こういう素材を使うのか」と、自分の目で見ることがその製品への愛着につながり、揺るぎない安心へとつながります。 そのほかにも、展示スペースを借りずにソーシャルメディアを通じて発信する選択肢もあり、さまざまなチャンスを得ることもできます。企業側は日々のルーティンである見慣れた風景でも、角度を変えてみたら新たな発見があるはずです。それらを次の仕事の一手に使う。そういった角度を変えてみることが、新しいビジネスにつながるのではないかと僕は思うのです。 森田恭通/Yasumichi Morita 1967年生まれ。デザイナー、グラマラス代表。国内外で活躍する傍ら、2015年よりパリでの写真展を継続して開催するなど、アーティストとしても活動。オンラインサロン「森田商考会議所」を主宰。
TEXT=今井恵