中村獅童に聞く、歌舞伎デビューした息子2人の子育て「どんなにケンカしても寝るときはいっしょ」
歌舞伎役者としてはもちろん、テレビドラマや映画でも大活躍の中村獅童さん。息子の陽喜くん(7歳)、 夏幹くん(4歳)も初舞台を終え、歌舞伎俳優としてデビューしました。 パパとして、歌舞伎界の先輩として、獅童さんは子どもたちとどのように向き合っているのか、聞きました。「AERA with Kids 2024年冬号」(朝日新聞出版)からお届けします。 【写真】中村家、親子3人でプロレス観戦を楽しむショットはこちら!(ほか、全6枚) ■歌舞伎の家に生まれても進路は本人に決めさせる 今年の6月、息子の陽喜と夏幹がそろって初舞台を踏みました。と言っても、陽喜は4歳のときに「初お目見得」をしているので、舞台経験は積んできています。 「歌舞伎の家に生まれた子どもは、歌舞伎俳優になるように育てられる」と思っている人もいると思いますが、そんなことはありません。ぼくが息子たちに「歌舞伎をやれ」と言ったことは一度もないし、「やる」と決めたのは本人たちです。2人とも3歳のときに決めました。日本舞踊を習わせたり、基本的なしつけをしたりはしますが、やるもやらないも本人次第。成長の過程で別の道に進みたいと思ったら、それはそれでいい。「歌舞伎の家に生まれたから」という理由だけで舞台に立つなんて、お客さまに失礼です。 うまいか下手かよりも、あこがれの舞台に立てる喜びや、あふれる情熱をお客様の心に届けるよう一生懸命演じなさいと言っています。舞台に立ったら年齢は関係ない。その責任の重さは、身をもって知るしかないんです。 子どもたちに「こういう役者になってほしい」「もっとうまくなってほしい」などという期待はしません。しないようにしています。ただ、うそをつかない子であってほしいし、優しい気持ちを忘れないでほしいという願いはあります。現段階では、とても優しい子に育っていると思いますよ。 ■妻にはよく「3兄弟」と言われるんです ただ、男2人なのでとにかくうるさいです。はしゃぐし、ふざけるし、ケンカもする。でも叱られやすいのは兄で、弟は兄の失敗を見て学習するんです。「これ以上やったらマズイ」という一線を絶対に越えない。弟ってすごい(笑)。ぼくはひとりっ子なので、新鮮です。