大阪「中之島」エリアのマンションは”買い”か? 再開発が続く大阪有数のビジネス街の今後と、開業予定のなにわ筋線による影響とは
2031年に開業予定の「なにわ筋線」
中之島エリア全体には、2008年に開業した京阪中之島線のなにわ橋駅、大江橋駅、渡辺橋駅、中之島駅の4駅が設置されている。京阪中之島線を利用すれば、JRと地下鉄が乗り入れている京橋駅や、京都の繁華街である京都河原町駅までアクセスできる。 また、渡辺橋駅は土佐堀川を挟んだ地下鉄四つ橋線肥後橋駅と地下街を経由してつながっており、京阪中之島線で唯一、他の路線と地下通路により乗り換えができる駅だ。さらに、地下街を経由すれば、大阪を代表する街である梅田エリアまで徒歩で向かうことができる。 そんな中之島エリアの交通アクセスだが、2031年開業予定の「なにわ筋線」により、さらなる利便性の向上が期待されている。今の京阪中之島駅がある場所になにわ筋線が乗り入れる予定で、大阪駅やJR難波駅と直接つながることになる。それにより、大阪府唯一の新幹線停車駅である新大阪駅や、関西国際空港へのアクセスが一層良くなるだろう。
中之島エリアのまちづくり方針とは
中之島エリアでは、2025年の大阪・関西万博やなにわ筋線の開業と並行して、近年大規模な再開発事業が行われている。 再開発事業が行われるきっかけになったのは、2012年の府市統合本部会議で取りまとめられた「グランドデザイン大阪」と「都市魅力戦略会議」で、「大阪・新大阪」や「なんば・阿倍野・天王寺」とともに、重点的に開発を推進するエリアとして、まちづくり方針が示されたことだ。 中之島エリアの再開発事業は、まちづくりコンセプトを下記のようにエリアごとに設定している。 ・3丁目:「グローバルアメニティビジネスゾーン」 ・4丁目:「ミュージアムコンプレックスゾーン」 ・5丁目:「グローバルコミュニケーションゾーン」 ・6丁目:「プレミアムライフゾーン」 ここからは、大規模な再開発が続く中之島4丁目、5丁目、6丁目のまちづくりを紹介する。
ミュージアム機能を核とした中之島4丁目のまちづくり
「ミュージアムコンプレックスゾーン」をコンセプトにした中之島4丁目では、2022年に新設された大阪中之島美術館をコアとしながら、国立国際美術館、大阪市立科学館とともにミュージアム機能の集積エリアとするまちづくり方針を示している。 また、中之島4丁目では2024年6月に「未来医療」の産業化拠点である「Nakanoshima Qross」がグランドオープンした。未来医療とは、現在提供されている最先端医療よりもさらに先の医療のことを指す。 Nakanoshima Qrossは3つの施設に分かれており、未来医療の共有を牽引する「中之島国際フォーラム」、実践のための「未来医療MEDセンター」、未来医療を創造する「未来医療R&Dセンター」で構成されている。