大阪「中之島」エリアのマンションは”買い”か? 再開発が続く大阪有数のビジネス街の今後と、開業予定のなにわ筋線による影響とは
再開発エリアを3つに分けて事業を行う中之島5丁目
開発面積約9.6haの中之島5丁目地区では、ホテルや商業、業務や住宅などのさまざまな機能が集積するエリアを形成する計画である。大阪市は2023年8月に中之島5丁目地区を「中之島5丁目地区計画」として原案を公表した。 この計画では、開発地区をA、B、Cの3つに分けて開発するとしている。 それぞれの土地利用の方針は、以下のとおりである。 ・A地区 関西国際空港や新大阪駅等へのアクセスが可能ななにわ筋線新駅前の立地にふさわしい質の高い都市空間の創出や、国際競争力の強化やにぎわい創出に資する業務、商業、宿泊、居住又は情報・通信機能等の複合的な機能の導入を図る。 ・B地区 既存の国際会議場施設などMICE機能(※)を活用するとともに、A地区との連携を図りながら、国際競争力の強化や国際交流拠点の形成に資する業務、商業、宿泊、居住又は医療機能等の複合的な機能の導入を図る。 (※MICE機能:企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字を取ったビジネスイベントなどの総称) ・C地区 周辺環境に配慮・調和した教育機能の導入を図る。 (※引用:大阪市「中之島五丁目地区地区計画」) 中之島5丁目の区画整理事業は、2025年度の完了予定である。まちびらきの予定時期は公表されていないが、2031年のなにわ筋線開業と時期を合わせることも予想される。 また、「関西の迎賓館」として有名なリーガロイヤルホテル大阪が大規模改修され、2025年にリニューアルオープン予定となっており、今後も中之島5丁目の注目度が高まっていくだろう。
小中一貫校や中之島GATEターミナルで注目を集める中之島6丁目
中之島エリアの西端である6丁目では、「働く・住まう・憩う・楽しむという多様なライフスタイルが享受できるプレミアアムライフゾーン」を形成するというコンセプトで再開発が行われる。 中之島6丁目のまちづくりで注目を集めているのが「中之島GATEターミナル」の整備だ。「中之島GATEターミナル」は、2025年大阪・関西万博の来訪者を市内の観光拠点に誘客するための拠点としての枠割が期待されている。また、水辺のレストランや物販など、賑わいを創出する施設としての役割も目指しており、2025年4月の万博開幕までの完成を予定している。 さらに、中之島6丁目では2024年4月に大阪市立中之島小中一貫校が開校された。開校の背景には、大阪市内の高層マンションの建設が相次ぎ、教室不足が深刻化していることが挙げられる。 学校には、屋上に設けられた人工芝のグラウンドや可動式の床で水深を調整できるプール、屋内にもグラウンドが設けられている。また、英語教育の充実や高性能パソコンを活用した学習などが行われ、子育て世代のファミリーからの注目度も高いと言える。