「ネットで『チック症の美少女』と言われ…」「私の動画が“ロリ扱い”で拡散した」トゥレット症の20代女性が明かす、病気に対する周囲の意外な反応
TikTokで動画を投稿するようになった経緯
――そんな状態が3年も。 へち ちょっとずつ楽になってきて、「家でできる仕事はないかな」と思って、ブログを始めたりしたんですけど、全然向いてなくって。で、バレエをやってたということで、TikTokでダンスしてる動画を投稿するようになって、いまにいたるって感じですね。
――TikTokを始めて、良かったことは多いですか。 へち 最初はダンス動画しか出してなかったんですけど、顔が知られてきたら、啓発のためにもトゥレットのことを公表しようと思ってたんです。TikTokは拡散力があるから、だんだんと認知されるようになってきて。TikTokって、障害や病気に関心のない方もたくさん見てると思うんですよ。だから、そういう人たちにトゥレットに関する動画が届くのは、いいことなんじゃないですかね。 ――反応もいいですか。 へち 始めて1年くらいして、トゥレットのことを公表して。そうしたら、拡散された動画のファンだって人がけっこう多くて。「あの動画のファンって?」と思いましたけど、うれしいですよね。
カッターで壁を切り、携帯を真っ二つに割ったことも…
――体調不良から脱したとのことですが、トゥレット症候群の症状のほうは。 へち いまもあります。最近困ったのが、着物を着る機会があったんですよね。で、後ろに帯が大きく付いてるじゃないですか。でも、背中の上のほうを触りたくなる運動チックがあって。帯が邪魔になって触れないので「ウワーッ!」となっちゃって。 ――カッターやハサミを持っているときに症状が出てしまうと、危ないことも。 へち ケガしちゃう方もいます。刃物で切るだけでなく、なにかをガンガン叩いちゃって手をケガしたり、自分で歯を抜いちゃったり。 でも、それは合併する強迫性障害による場合もあって。強迫性障害でケガをすることって、けっこうあるんですよ。私も、どうしてもカッターで壁が切りたくなっちゃうという時期があって。チックといえばチックなんだろうけど、強迫性症状からきてるのを強く感じました。 ――壁を切ったりすると、スッキリするのですか。 へち あんまり、しないんですよね。どっちかというと「あっ、ヤバ」ぐらいの(笑)。「壁切っちゃった。賃貸だったのに」みたいな(笑)。 正直、どうしていいかわからないところもあるんです。昔、ガラケーだった時代にケータイを真っ二つに割っちゃったことがあって。そのときは「あっ、割れちゃった」と思ったけど、どうしようもないというか、割りたくて割ったわけじゃないし。「どうしたもんかねえ」って。