秋の時期に摂っておくと「いいことがある」食材は?「白いもの」「潤すもの」といえば大根が浮かびますが、そのほかにも
スープ粥を毎日簡単に作るための工夫とは?そして大切な「あの食材」
毎朝、時間がない中でスープ粥をゼロから作るのは大変ですよね。おすすめの作り方としては、下準備をまとめてしておくようにしています。しいたけやしめじ、エリンギなどのきのこは安くなっているときに買って、石づきを除いてから食べやすい大きさに割いて冷凍しておきます。冷凍することで細胞壁が壊れてきのこの栄養分を摂取しやすくなります。 また、旬の青菜、大根・かぶの葉、小松菜、ほうれんそうなどを刻んで、生のまま冷凍しておきます。おすすめと紹介させていただいたお米は、黒米・玄米と一緒に予め炊いて、お茶碗半分量ぐらいずつをラップで包んで冷凍します。この時に一工夫な食材として…寒天を加えます。水溶性食物繊維が豊富なので腹持ちが良くなることを期待しています。棒寒天をお米3合に対して1/3本くらいが目安。水でふやかしてから一緒に炊くと、お米がつやつやして美味しく感じられる効果も期待できます。 寒天には「化痰(かたん・けたん)」の効能がありますので、食べた飲食物を留まらせずに次に流すという働きが期待できます。また、「軟硬(なんけん)・通便」の効能もあるので、胃・小腸・大腸をスムーズに通って快便に導いてくれることも期待できます。その結果なのでしょう、「清肺(せいはい)」の効果もあり、飲食物が滞った結果として生じた肺の熱を冷ましてくれる効能もあります。消化器系の流れを良くして、結果的に肺の機能を整える…中医学的な考えとして「面白いな」と感じるところです。 もうひとつ、スープ粥で大事にしたいポイントは「スープ粥のメインは“スープ”」であることです。粥というとご飯がメインに感じますが、おなかに優しいスープ粥は「スープ」を摂ることを基本としています。ただ、単純に温かい液体のスープだけだと、胃は「消化は不要」と判断して30分ほどで胃を通過してしまいます。胃袋にできるだけ長く温かいスープを留めておけるように、きのこなどの具材とおすすめの食物繊維の穀物・雑穀を入れるようにしています。胃袋はおなかのほぼ中心に位置していますので、温かい状態が長く続くと「おなかの湯たんぽ」になります。身体が冷えきっていて、ひどい生理痛を感じていらっしゃる方には試していただきたい食べ方です。
再春館製薬所 田野岡亮太