秋の時期に摂っておくと「いいことがある」食材は?「白いもの」「潤すもの」といえば大根が浮かびますが、そのほかにも
地味なようでいて意外に活躍している影の存在、それが大腸
では、大腸はそもそもどんな働きをしているのでしょうか? 言うまでもなく、身体に水分を摂り込む働きをします。口から飲んだ水分を身体の中に摂り込むのは、胃ではなく大腸です。外気の乾燥が進んで、肌表面や粘膜など身体から水分が奪われやすくなる時期に入っていきますので、“身体への水分の摂り込み”を気遣う意識を高くしたいですね。乾燥の秋…言い換えると「腸活の秋!」に感じます。 水分を身体に摂り込む器官…大腸。実はおたまじゃくしには大腸の器官がありません。水の中で暮らしているので水分を吸収する器官が不要なのでしょう。これがカエルになって大気中で暮らすことが生じると、水分を吸収する器官を体内に作るようになります。これが大腸です。秋から冬にかけて大気の湿度が低い期間になり、身体から水分が蒸散しやすい時期になります。潤い肌をキープするために、粘膜を乾燥させないために、身体の内側への水分供給が滞りなく行われるように“大腸”のコンディションにいつも以上に気遣ってあげてください。 では、どうすれば大腸のコンディションは整うのか?大腸には腸内細菌という住人がいますので、腸内細菌の働きを整える、あるいは腸内環境を整えることが大事です。大腸にはビフィズス菌が多く存在しています。ビフィズス菌は空気を苦手とする性質があるので、口から胃を経由して小腸あたりまでの空気が存在するエリアは苦手なのですが、大腸には空気はほとんど存在していないので、ココで活動しています。ビフィズス菌の活動の原動力になるのは食物繊維です。ビフィズス菌を含めた腸内細菌のエサとなって分解されます。食物繊維はさまざまな食材に含まれていますが、大腸の機能を考えると…穀物・雑穀に含まれている食物繊維をおすすめしています。 なぜなら、大腸は水分を吸収する働きをしますが、大便を作って外に出す働きもします。大便は腸内細菌の死骸のかたまりでもあるのですが、その骨格は「前日の朝食に摂った食物繊維」になります。寝ている間は消化活動をしていない胃にとって、朝から嬉しく感じるのは「柔らかい、温かい」食物繊維。お米や穀物は炊飯すると水分を含むので、胃にとって消化しやすい食材に感じます。寝起きの胃に優しくてビフィズス菌も嬉しく感じる。そんな理由で、“朝一番の食物繊維は穀物・雑穀”をおすすめしています。 大腸のコンディションが整うと、毎朝を快便で迎えることができるようになります。中医学では「肺と大腸は表裏関係」と考えるので、大腸の状態が良くなると、肺のコンディションも連動して良くなります。秋は特に肺の機能をケアしたい季節なので、「乾燥の秋は“腸活の秋”」は中医学的にも合っていることになります。