井上尚弥ら所属の大橋ジムがトップアマ3選手とサポート契約 大橋秀行会長「大橋ジム所属で五輪目指す」
プロボクシングの大橋ジムは9日、NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」とともに、アマチュアボクシングの岡沢セオン(INSPA)、原田大(専大)、片岡雷斗(習志野高)の3選手とサポート契約したと発表。3選手は大橋ジムの大橋秀行会長とともに横浜市の同ジムでの記者会見に臨み、2028年ロス五輪での金メダル獲得を目標に掲げた。 大橋ジムはトレーニングメソッドや練習場を提供し、Leminoは、3選手の活動を紹介する映像の配信などをしてサポートしていく。契約は11月からロサンゼルス五輪までとなっており、3人は来春から同ジム所属選手として活動していく。 「3人は大橋ジム所属で五輪を目指すことになった。アマチュアボクシングは面白いし、ファンになってくれる人が増えれば、ボクシング界全体が盛り上がる。プロの選手にとっても、すごくいい練習になるし、相乗効果が期待できる」と大橋会長。プロのジムに所属して五輪を目指す選手が出てきたのは「おそらく初めてじゃないかな」という。「片岡選手がプロかアマかで悩んでいた時、『五輪に行ってからでも(プロ転向は)遅くない』と話しました。片岡選手は今まで見た中で、才能という点では一番天才かもしれない。五輪という、アマでは純粋にすごい場所で金メダルを取っても遅くはないんです。(日本ボクシング)連盟とも(3人との契約についての)話はしていて、喜んでくれた」と話した。経済的なサポートもするため、3人には心置きなくボクシングに打ち込める環境を提供する。 29歳の岡沢は男子71キロ級、23歳の原田は同57キロ級で今年のパリ五輪に出場。ともに目標の金メダル獲得はならなかっただけに、ロス五輪にかける意気込みは強い。「伝統と実績のある大橋ジムに練習環境を提供してもらえるのはうれしい。もっと大きくなれる機会を得られて、しっかり結果を出したい」と岡沢。原田も「アマでボクシングを続けられる場所を探していたので、こういう機会をいただいて感謝しています。もう一度五輪に出て金メダルを取りたい」と意欲を示した。原田にとって大橋会長は専大の先輩。11月にはスーパーバンタム級(55・3キロ以下)の世界4団体統一王者・井上尚弥のスパーリングパートナーに抜てきされたが、「尚弥が予定されていた日程が終わってから、あと2回来てくれないかと頼んだ。相当良い練習ができたのかな」と大橋会長。のべ20ラウンドもモンスターとグラブを合わせたことで原田は「(試合になったら)誰も怖くなかった」という。早くも大橋会長の期待どおりの効果が出ている。 18歳の片岡は高校6冠のホープ。幼少の頃、父・圭さんの影響でキックボクシングを始め、小4の時にボクシングに転向。小学校高学年の頃から大橋ジムに何度も足を運んで練習に参加させてもらったという。「ロスで金メダルを目指したい。結果で恩返しできるようにしたい」と闘志を見せた。「自分の長所は元気なところ。今はダメだけど、来年には体を作って、(五輪を目指していく)自信はあります。尚弥選手は見ている人に夢や希望をくれる。自分もそういうボクサーになりたい」と目を輝かせていた。
報知新聞社