犬スポット訪問記(4) 「愛知県犬山市」ベテランゆるキャラと桃太郎伝説
観光シーズンの毎週日曜日には、日中の数時間ごとにこうした「参上イベント」があるようだ。事前に全くその情報を知らなかった我々は非常にラッキーだった。
犬山に? 「桃太郎神社」
さて、犬山にはもう一つ、知る人ぞ知る犬スポットがあるのをご存知だろうか? 第2回の「甲州街道・犬目宿」で触れたように、「猿」「犬」「キジ」をお供に連れた桃太郎の伝説が、「犬」がつく地名の由来に関わってくるケースがあるようだ。犬山にもそのものズバリの『桃太郎神社』があり、境内に所狭しと並ぶ「桃太郎」「猿」「犬」「キジ」「鬼」の像が、犬山こそが桃太郎の故郷だということを誇示する。
「桃太郎=岡山」という常識は、ここでは一切通用しない。桃太郎はこの犬山で生まれ育ち、岐阜県の可児川にある“鬼ヶ島”へ鬼退治に行った事になっている。その証拠として、境内の宝物館には鬼ヶ島で犬が噛み切ったという「鬼の珍宝」や「鬼の子のミイラ」の写真が展示されている。
木曽川の対岸からあらためて犬山城を眺めると、山全体の様子が絵本で見た鬼ヶ島にそっくりに見えた。桃太郎神社の強烈な世界観に毒されてしまったのであろうか……。 兎にも角にも、最後に公式の「犬山」に由来を記しておこう。観光協会でもらった資料によると、3つの説がある。 (1)大昔、この地方は犬を用いて狩りをするのに良い場所であったといわれる説。犬山の語が狩猟の意に用いられていることは、中古の物語や戦記物語にもみられる。 (2)「小野山」が転じたと言われる説。和名抄に「丹羽郡小野郷」とあり、この「小野郷」が現在の犬山に当たると考えられている。そこから、「小野山」が変化して「犬山」になったとする説。 (3)現在の犬山市内にある大縣神社と針綱神社の祭神は親子の関係にある。大縣神社から見て犬山城の下にある針綱神社が戌亥(いぬい)の方角にあることから、「戌亥」が「犬山」に転じた。