犬スポット訪問記(4) 「愛知県犬山市」ベテランゆるキャラと桃太郎伝説
そしてこの春、犬山で開業医をしている高校の同級生を訪ねて、5年ぶりに“訪犬”。新たな「犬スポット」も開拓したいという思いを胸に、犬山城のすぐ近くに新居を建てた同級生夫妻、そして一人娘のYちゃんに城下町を案内してもらった。Yちゃんは同行した我が家のフレンチ・ブルドッグ、『マメ』と散歩するのをずっと楽しみにしていたとのことで、マメの側から離れない。さすが犬山っ子、将来有望である。
織田信康が彫った一対の狛犬
そんなメンバーで訪れた最初の犬スポットは、犬山城天守閣の下にある針綱神社である。「織田信長の叔父、織田信康公が、夫人の安産を祈願して自分で彫った狛犬一対を奉納して祀ったのが始まり」というのが神社の由来。是非、その狛犬をこの目で拝みたい。神社の人に聞いてみると、裏手に回ればガラス越しに拝めるとのことで、お言葉に甘えた。普通に目にする神社の狛犬と比べ、いかにもプリミティブな意匠の木彫の偶像である。この安産の守り神としての犬のイメージには、妻と子を思う殿様の思いがストレートに投影されている。こういったものが、芸術本来の姿ではないかと思う。
針綱神社では、安産祈願以外のお守りも多く売っている。僕はやはり、『わん丸くん御守』をチョイスした。一般的な観光コースでは、この後、いよいよメインの犬山城天守閣を見ることになるのだが、ダイレクトな「犬スポット」とは言えないので、中には入らないことに。そもそも、天守閣に犬は入れない。「ペット入場禁止」の大きな看板の脇のベンチが、犬たちの“ウエイティングスペース”と化していた。国宝の木造建築である。文句は言えまい。
そんなこんなで犬山城を後にすると、敷地を出てすぐの広場に面した観光案内所の建物から、「わーん わーん わん丸くん ♪」と、ゆるい歌が聞こえてくるではないか! そして、そのテーマソング、『わん丸くん音頭』と共に、わん丸くんその人が登場した。なんというグッドタイミング! 広場で『わん丸くん音頭』に合わせた踊りのパフォオーマンスが始まると、大勢の親子連れが集まった。