13歳で空に旅立った弟へ・・・小児がんのこどもたち支える”レモネードスタンド” 14日に開催
小児がんの子どもたちを支えるためのチャリティーイベントが、兵庫・丹波篠山市で14日、開催されます。企画の中心メンバーは、がんで治療中の小中学生やそのきょうだいたち。しかし、準備しているさなかの9日朝、その1人の少年がお空へ――。悲しみをこらえながら、残された子どもたちやその家族がイベントの成功に向けて活動を続けています。
(子どもたち)「ちょっと濃いかもね」 「もうちょっと炭酸をきかせてもいいかも」 先月28日。大阪・豊中市の高校1年生、土井颯大(そうた)さん(16)の自宅はいつもより賑やかでした。みんなで夢中になっていたのは「レモネードづくり」。この日初めて兵庫・丹波篠山市から颯大さんの家を訪ねてきた、イギリス出身の父を持つテイム・ジョージさん(11)や、兄・ゲイブリルさん(17)らと、「おいしい一杯」を求めて試行錯誤していました。
今、みんなで計画しているのは「レモネードスタンド」の開催。 「レモネードスタンド」はアメリカの小児がん患者の少女が、がん研究を支えるためにと自宅の庭でレモネードを販売し、その売り上げを寄付したことがきっかけに世界的に広まった活動で、今や国内でも小児がん支援のシンボル的な取り組みとなっています。
実は、颯大さんの3歳年下の弟・大地さんは、5歳の時から小児がんの一つ「神経芽腫」とずっと闘っています。抗がん剤治療や移植手術で大地さんがつらい時間を過ごしているのに「自分は何もできていないというもどかしさがずっと心の中にあった」と颯大さんは話します。 「自分も何か誰かのために役立つことがしたい」―。颯大さんがそう考えたとき、思いついたのが、このレモネードスタンドによる小児がん支援でした。自分と同じように、重い病気や障害がある子の「きょうだい」で、無力感や孤立感にさいなまれている子どもたちにも希望を与えることができたら、という願いも込めています。