13日で大阪・関西万博の開幕まで半年です。 　建設遅れが指摘されているパビリオンはどうなっているのでしょうか。開幕が迫る現地と万博協会のトップを取材しました。

民間パビリオンが工事着々　各社技術アピールの場に

パソナパビリオンで展示されるIPSからできた動く心臓

　半年後の開幕に向け期待が膨らむ大阪・関西万博。 　1周2キロにも及ぶ大屋根リングの外側に広がるのが国内の民間パビリオンです。 　西側にはパソナパビリオンがあり、屋根には鉄腕アトムがあしらわれています。建物はアンモナイトの化石をイメージしたデザインです。 　パビリオンのコンセプトは“未来の医療”。注目は、赤く染まった小さな物体です。 　（大野聡美記者）「直径3cmほどのiPS細胞からできた動く心臓です。隣の動いている心筋シートを培養して作っているということです」

船をイメージした「三菱未来館」

　一方、東側エリアにも注目のパビリオンが多くあります。 　11日、報道陣に初めて公開されたのが、三菱グループが手がけるパビリオン「三菱未来館」です。 　地上に浮かぶ巨大な船をイメージしたという建物です。 　（永合彩乃記者リポート）「パビリオンの2階にやってきました。こちらがパビリオンのメイン。約9mの巨大スクリーンで迫力満点のショーを体感できます。まだスクリーンは設置されていませんが、工事が完成すれば、時空を超えた宇宙旅行を大迫力の映像で楽しめます」

会場の中心には「静けさの森」

　急ピッチでパビリオンの建設作業が続く大阪・夢洲。 　その中心地には広大な緑も設置される予定です。 　（ランドスケープデザイナー　忽那裕樹さん）「すこしパビリオンみて疲れたなというときにゆっくり休む。静かな森というのを真ん中に抱いているのはすごく嬉しいことになったなと思っています」

「建設スケジュールはほぼ問題ない」　石毛協会事務総長は成功に自信　ただ未着工の海外パビリオンも…

成功に自信をみせる石毛事務総長

　徐々に全体像が見えてきた大阪・関西万博。 　協会の事務方トップも成功に自信をのぞかせます。 　（石毛博行事務総長）「進捗が遅れてるんじゃないかとだいぶご心配をおかけしましたが、もうほとんど全ての国について建設者は実質決まっていて、建設スケジュールについてはほぼ問題ない。開幕はもう目の前だということで、雰囲気も随分変わってきた。この盛り上がりを日本全国、さらに世界に広げていかなくてはいけないと思います」

事務総長はパビリオンの簡略化も辞さない構え

　ただ、海外パビリオンのうち「タイプA」で建設する予定の47カ国のうち、未着工で建設業者も決まっていないところが2カ国あります。 　石毛事務総長は「唯一のデッドラインは来年4月13日だ」と話します。つまり、開幕に間に合わせることがただ一つの目標ということです。 　間に合わせるための見立てについては「複雑な建物でない場合は簡単な工事で済むものに。簡単というと手を抜いた印象を与えるが、それはそれぞれの国の事情」と簡略化も辞さない考えを示しました。