「はい、論破」では信頼関係は生まれない!マウントを取る子どもに親がすべきケア
プレゼンの場面で自分の「イイタイコト」を伝える時には、聞いている人が理解しやすいよう、できるだけわかりやすい言葉を使うことが求められます。しかし、プレゼンを作り上げる過程で考えを深めていく時や、「本当にイイタイコト」を探す時などに、とても大切な力となるのが語彙力です。 保護者の方の中には、お子さんとお話しされながら、「ちょっと話の流れがよくわからないな」と感じたことのある方もいらっしゃると思います。特にお子さんがまだ小学校低学年くらいですと、複雑な状況や人間関係などを言葉で説明することはまだ十分上手にできず、聞いている人にはわかりづらく感じられることがままあります。 ● 自発的に遊ぶことで 語彙力が豊かになる お子さんがうまく物事を説明できない原因は、語彙力の不足の場合が多分にあります。身のまわりで起きたことを細かく描写したり説明したりするには、その世界をどれだけ言葉で認知しているかがポイントになるからです。 さらに、頭の中に、どれだけの数の単語やフレーズ、言い回しなどが、「使える状態」で存在しているか。これは、思考力にも直結します。自分の気持ちや考えを、言葉を使ってわかりやすく表現することは、人とのつながりを築き、豊かに生きていく上で欠かせません。これらすべての基礎になるのが語彙力なのです。
発達心理学・認知心理学の分野で著名な内田伸子さんの研究などによって、幼児期は、一斉保育で先生から教えられるよりも、自発的に遊び、行動する環境の方が語彙を獲得しやすいことが明らかになっています。つまり、語彙力を伸ばすには、お子さんが「自主的・自発的に言葉を使う」工夫や環境が重要なのです。 そこで、これらを踏まえて、ご家庭で取り組みやすく、なおかつ効果の高い、語彙力を伸ばす5つの方法をお伝えします。 ● 語彙力を伸ばす方法(1) 「抽象概念を広げる」 日常会話の中でも、保護者の方のちょっとした意識や言葉かけで、お子さんの語彙力はぐんと増えていきます。 例えば、お子さんがある出来事や事実を話す際に、それだけでなく、「その時にどう思ったのか」を尋ねることで、その感情は一般的に何と呼ばれる感情なのか、といった具合に抽象概念へと広げていくことができます。