漢方のプロ、樫出恒代さんが40代・50代読者のお悩み、ダイエット・更年期の汗…にアンサー【OurAgeの大人相談室/大人のシャベリ場まとめ】
あなたの免疫力は正常に働いていますか?
私はクライアントに対しても、免疫を上げようとか、下げようといった表現をすることはなく、いつも「自分の免疫を正常に働かせていきましょう」という伝え方をしています。 免疫が正常に働いている状態とは、それぞれの人が本来持っている、自然治癒力がしっかりと働いているということ。 漢方では、この自然治癒力の働きがとても重要だと考えられています。 自分の体の免疫力は正常に働いているのかどうか? それは、次の簡単なセルフチェックからでもわかります。 【①暑がり、または冷えている】 暑がりでも寒がりでも、それは体の免疫がどちらかに偏っているサインです。 漢方的な観点では、花粉症やアレルギーを持つ人ほど、体が冷えていることが多くあります。体内に溜まった余分な水分は、本来は汗や尿で排出されるのが理想。ですが、冷えがあることで免疫機能が正常に働かなくなるため、鼻水で出てしまう…というわけです。体が温まると物理的に鼻水も減るので、足湯、背中に湯たんぽを当てるなどのセルフケアはおすすめですよ。 【②夜中に目が覚める】 免疫力が正常に働いている状態は、自律神経が整っている、と言い換えることもできます。 45~48歳頃(相談者さんの年齢)から増えてくる自律神経の乱れとして多い不調は、睡眠の質の低下。トイレで起きるなども含め、睡眠中に中途覚醒があり、朝まで眠り続けることができない場合は、免疫力も正常に働いていない可能性が大。 朝すっきり起きられているか、夜はちゃんと眠くなるかどうかも、合わせて振り返ってみてください。 【③朝はお腹が空かない】 朝食時が最も空腹であること=免疫力の状態も中庸であるといわれています(漢方的に考えて三食の理想の割合は、全体を100とすると朝食50昼食30夜20)。 漢方の観点では、体の真ん中にある胃腸がちゃんと働いているかどうかをとても重視するからです。「朝は食べたいと思わない」「食欲がない」「何を食べてもおいしく感じない」という状態は、免疫のバランスが狂っているサインといえるでしょう。 朝一番に白湯を飲むのもおすすめです。胃腸の温度(38度)よりプラス5~10度ぐらい、45~48度ぐらいの白湯は体に負担をかけずに働いてくれます。 【④不安が多い】 免疫力を司る自律神経は、漢方でいう「気」の流れにも大きく左右されます。例えば、つねにいろいろな不安を抱えている人も、免疫力は狂いがちです。 自分が嫌だなと思ったことは最低限しないなど、心の負荷はなるべく減らしておきましょう。漢方では、未来の不安や過去の後悔にとらわれず、「今を生きる」という心持ちが、中庸につながると考えるからです。