アウディ最新のBEV専用SUV、Q6 e-トロンにクーペ・ルックのスポーツバックが加わった
2タイプのボディ・バリエーションへ拡大
アウディは、2024年3月に発表したDセグメントSUVタイプの電気自動車=バッテリーEV(BEV)である「Q6 e-トロン」にクーペ・ボディの「Q6スポーツバックe-トロン」を追加し、世界初公開した。クーペ・ライクなキャビンを得た、Q6ファミリーの新バリエーションだ。 【写真53枚】アウディの新しいSUVスタイルのEV専用モデル、「Q6 e-トロン」に追加されたクーペ・モデル、「Q6スポーツバックe-トロン」の詳細画像をチェック ◆新型マカンと同じプラットフォーム プラットフォームは、Q6から導入された「PPE」を採用。ポルシェとアウディで共同開発し、BEV専用モデルになった新型ポルシェ・マカンなどフォルクスワーゲン・グループ全体で使用する中大型BEV用プラットフォームだ。 ◆全高以外はQ6 e-トロンと同じ ボディ・サイズは、4771mmの全長と1965mmの全幅、2899mmのホイールベースはワゴン・スタイルを持つQ6と同等だが、全高は37mm低い1665mmとなる。荷室容量は5人乗車時が511リッター、最大で1373リッターと、Q6より15~156リッター少ない。ボンネット下に備わるフロントの収納スペースは、増減なしの64リッターだ。 高い位置にデイタイム・ライトを据えた2段ヘッドライトや、完全に閉じられたシングルフレーム・グリル風デザインなど、フロントまわりはQ6と同じルックスだ。1980年に登場した「アウディ・クワトロ」のブリスター・フェンダーを思わせる「クワトロ・ブリスター」や前後ホイールハウス上のキャラクターラインも共通だ。 ◆水滴のような流線型 大きく違うのはルーフ・ライン。アウディは初代「TTクーペ」を引き合いに出し、水滴のような流線型に仕上げたという。また、ルーフに続いて絞り込まれたリアまわりは、「e-トロンGT」との類似性も感じさせるルックスとなっている。 空気効力係数(Cd値)は0.26で、ボディ形状が変わったことで、Q6の0.28よりも空気抵抗を低減している。 ◆2画面を結合したインパネ インテリアは、ドライバーの前の11.9インチとセンターのタッチ式14.5インチの2画面を結合したMMIパノラマディスプレイが存在感を主張。オプションで、アクティブ・プライバシー・モードを備える助手席前の10.9インチディスプレイも選択できる。 インフォテインメント・システムは、Q6から導入されたAndroid Automotive OSで、スマートフォンを経由することなくYouTubeなどのアプリを利用できる。オーディオは、前席ヘッドレストの4スピーカーを含む20スピーカー、830Wのバング&オルフセン・プレミアムサウンド・システムを用意する。 ◆後輪駆動は2種類のバッテリーを設定 床下に敷き詰められるリチウムイオン・バッテリーは総容量100kWh/実用容量94.9kWhの大容量を持つパフォーマンス仕様では、最長で656kmの航続距離を実現する。このほかに、83kWh/75.8kWhの標準バッテリー仕様も用意され、こちらは最長545kmの走行が可能だ。 標準バッテリーで252psの「Q6スポーツバックe-トロン」と、大型バッテリーで306psの「Q6スポーツバックe-トロン・パフォーマンス」はリア・モーターの後輪駆動。0-100km/h加速は、「ローンチコントロール」モードで7.0秒と6.6秒だ。 ◆4輪駆動は前後2モーター 387psの「Q6スポーツバックe-トロン・クワトロ」と、489psの「SQ6スポーツバックe-トロン」の2機種は前後1モーターずつの4輪駆動を採用。バッテリーはパフォーマンス仕様と同じ100kWh/94.9kWhを積む。ローンチコントロール・モードでの0-100km/h加速は5.9秒と4.3秒。最高速度はSQ6が230km/h、その他のモデルが210km/hだ。 生産はドイツ・インゴルシュタットの本社工場で行われ、2024年から2025年にかけて受注を開始する予定だ。 文=関耕一郎 (ENGINE WEBオリジナル)
関耕一郎