歴代のタンタンの飼育員4名が集結

中国駐大阪総領事館と神戸市立王子動物園の共催で、2024年9月29日に『感謝の会 in 王子動物園』が開催されました。 【写真】「＃ありがとうタンタン」イベントフォトはこちら！ 2024年3月に亡くなったジャイアントパンダ・タンタンをしのぶイベントには、1,000件を超える応募から、抽選で選ばれたファン160名と関係者が参加。タンタンを担当した歴代4名の飼育員さんにも、貴重なお話を聞くことができました。

総領事とタンタン

タンタンとの思い出を語る薛剣総領事

薛剣(せつけん)総領事は、開会のあいさつでタンタンについて、来日後すぐにトップアイドルとなり、短い手足と優雅でかわいいしぐさで「神戸のお嬢様」として親しまれたと語りました。 日本へ赴任したとき、最初にあいさつ回りをした中にもタンタンがいました。「会った瞬間にオーラと大きなエネルギーを感じた」。取材時に、大胆におみ足を上げて「お嬢ちゃん、恥ずかしいよ～」と、総領事を照れさせた、タンタンの姿を思い出します。 総領事は「自分たちはタンタンと比べてどこまで頑張れているか。常に意識しながら活動をしている」と続けます。中国では『1頭のパンダは10名の外交官に勝る』と言われているのです。 タンタンに最後に会ったのは、2024年の旧正月。「園長や飼育員からいろいろ話を聞いて心配していたが、それが最後だとは思わなかった。中国では、他の国でなくなることを客死他郷(客死异乡:クースーターシャン)と言うが、他郷をさすらう旅人のように、ふるさとの中国を懐かしく思っていただろうか」 中国には、落ち葉がどこへ落ちても根に帰る様子から、遠く離れていても故郷を恋しがるということを表す『落葉帰根(落叶归根:ルオイエグイゲン)』と言う言葉もあります。中国人は昔から、故郷で死にたいという価値観を持つ人が多く、先に出てきた『客死他郷』には、中国以外で亡くなったことを残念に思う意味もあるのだそう。タンタンのことを本当に大切に考えているからこそ、出た言葉なのでしょう。