愛されつづけた唯一無二のパンダ、タンタンとの思い出を語りつくす!「#ありがとうタンタン」イベントレポート
愛され続けたタンタン
さらに「彼女の一生は実り豊かで円満だった。無数の日本人の心を温め、多くの日本人に愛され親しまれ、日中友好に暖かい癒やしを与えてくれた、満足して旅立ったと思う」と述べて、タンタンをしのびました。 そして、自らも熊猫好きであるという、総領事が好んで使う言葉が「パンダ愛から人間愛へ」。パンダ愛から一歩踏み出し、人間同士の愛につなぎたいという意味を持ちます。「タンタンが日中友好に尽くしてくれたことを忘れない。彼女は心の中に生き続ける。長い間お疲れ様。心から感謝を申し上げる。謝謝!」と、タンタンヘの感謝を述べて、話を結びました。 開会の辞が終わり、メモリアルムービーが上映されると、会場では在りし日のタンタンの姿に、目頭を押さえる人の姿も見られました。
「中国人はパンダを叱らない」飼育員さんとタンタン
今回のイベントでは、来園時からタンタンを担当してきた歴代の飼育員さんたちのお話も聞くことができました。テーマは「王子動物園で過ごしたタンタン」です。 トップバッターは、兼光秀泰(かねみつひでやす)さん。動物の飼育歴は40年以上。タンタンが来る前には、臥龍(がりゅう)基地へ研修に行ったというレジェンド的な存在です。 兼光さんが基地へ行った3月はちょうどパンダの繁殖時期。いろんなところから、活発にパンダの鳴き声が聞こえたと言います。 肝心のタンタンはと言えば「神経質で怖がり、近寄ることもできなかった。パンダは人が寄っても平気だけど、タンタンは真逆だった」と兼光さん。いろいろお世話をしましたが、最後まで、目の前でエサを食べてくれることすらなかったのだそうです。しかし来園時には中国から2名の飼育員が同行してくれ、まったく心配なく飼育をはじめられました。 「ウェイさん(来日した中国人飼育員)はパンダを叱らない。彼だけでなく、臥龍の人はみんなそう。人間の子どもと一緒で、怒ると隠れて悪いことをするからだって」と話す兼光さん。「毎年2回、発情と妊娠の時期に中国のスタッフが来てくれた。みんないい人です」と語ります。彼らとは今でも、友人として交流があるそうです。 パンダの飼育に関しては、中国だけではなく、上野動物園に研修に行ったり、わからないことをアドベンチャーワールドに電話で聞いたり。獣医師や淡河の笹部会の人たちなど、たくさんの人にお世話になったと話しました。