【中日】「平成の三冠王」松中信彦氏を招へい 来季以降のチームに起こりそうなことは?
井上一樹新監督が就任し、すでに来季に向けて動き出している中日。気になるのはコーチ人事、つまり組閣だが、先日驚きのニュースが飛び込んだ。 【動画】中日の”4番”が渾身の一発!中田翔が開幕戦で放った豪快弾を見る 松中信彦氏の招へいーー。言わずと知れた「平成の三冠王」がドラゴンズのユニフォームに袖を通すという。肩書は決まっていないそうだが、おそらく打撃部門の要職を務めることだろう。本稿では松中氏のコーチ就任で来季以降の中日に起こりそうなことを予想したい。 ■若手スラッガーの台頭 まずは若手スラッガーの台頭。長年の長打力不足、得点力不足に悩んできた中日にとって、松中氏の就任は朗報と捉えたい。現役時代には広い福岡ドームを本拠地にしながら長打を連発し、ホークスの中心選手に君臨。松中氏のような技術とパワーを併せ持ったスラッガーを育てたい。 筆頭は石川昂弥か。左右の違いはあれど、石川昂も技術とパワーを兼ね備えており、きっかけさえ掴めばリーグを代表する4番になれるはず。松中氏の手腕に期待だ。 ■ドラフトで左の大砲を指名 石川昂だけでなく、細川成也や福永裕基が一軍で活躍し、ブライト健太や鵜飼航丞への期待も大きいのが中日の若手打者の現状。いずれも右打者である。 他方、左打者は俊足巧打系の選手が多く、大物打ちは事実上不在。ドラフトで松中氏が育てたくなるような左の大砲を指名するかもしれない。今年でいえば、モイセエフ・ニキータ(豊川高)や森駿太(桐光学園)、吉納翼(早稲田大)あたりが有力候補になる。 ■得点増、OPSの上昇 コーチが優秀なタレントを育てたところで、チームの得点増につながらないと「成果を出した」とは言えないかもしれない。松中氏はどうだろうか。参考に、2021年に1年間臨時コーチを務めたロッテの得点数、OPSをみてみよう。 ・2020年:461得点(1試合平均3.84点)、OPS.685 ・2021年:584得点(1試合平均4.08点)、OPS.700 2020年は120試合、21年は143試合と単純に試合数の違いがあるものの、1試合平均の得点数とOPSはともに上昇。9月上旬に首位に立つなど、優勝争いに顔を出しての2位フィニッシュだった。 当時のロッテも中日と同じく長打力不足に悩まされ、スローガンを「この1点を、つかみ取る。」としていたほど。松中氏の指導でぜひ1点をつかみ取る野球を展開してもらいたい。 [文:尾張はじめ]