クルマが好きでたまらない! 「シトロエンBX」「ホンダS2000」「いすゞピアッツァ」20代若者たちを虜にするヤングタイマーと都市で暮らす。
若者のクルマ離れはもう終わったのかもしれない。そう思わせる自動車イベントが、先日、横浜赤レンガ倉庫で開催された。集まった105台はすべて35歳以下のドライバーたちの愛車である。都市部に住みながら“クルマのある生活”を満喫する。令和時代の新しいカーライフとは。イベントの仕掛け人、20代の3人に話を聞いた。 【写真】どれも渋い! これが若きイベント仕掛け人3名の愛車だ!(全18枚)
最初の愛車は18歳に買ったシトロエンBX
2024年3月20日、神奈川県の横浜赤レンガ倉庫にて、「YOKOHAMA Car Session」という興味深いイベントが開催された。35歳以下の若者が趣味として楽しむ愛車を展示するという非営利の催しで、なんと105台ものクルマが集まったという。巷では「若者のクルマ離れ」が進んでいるとされているけれど、実はクルマを愛してやまない青年はしっかりと存在しているのだ。同イベントを主催した20代の3人に、都市部でクルマを持つことについて話を聞いた。 ──まずは自己紹介からお願いします。 本田 本田浩隆、29歳です。テクニカルライターといいまして、クルマの整備マニュアルや配線図を書く仕事をしています。いまの愛車は1993年型のシトロエンBX19TZiです。 甲野 甲野大輔、28歳です。不動産の会社で都市開発などをやっています。いわゆる総合デベロッパーですね。いま乗っているのは2006年型のホンダS2000です。 後藤 後藤和樹、27歳です。展示会などのブースのデザイン設計に関わる仕事をしていて、1983年型のいすゞ・ピアッツァXE に乗っています。 ──みなさんがクルマを好きになったきっかけを教えてください。 後藤 僕の両親はあまりクルマに興味がないタイプでした。ただ母方の叔父がクルマ好きだったんですね。叔父とクルマの話をしたのがきっかけだったかな、と思います。 甲野 僕も家族にクルマ好きがいない突然変異型で(笑)、両親によると小さい頃にいくつかのおもちゃを与えたらトミカだけに興味を示して、握ったら離さなかったそうです。物心がついたときには、もうクルマ好きでした。 本田 うちは父がクルマ好きで、僕が物心つく前から小学4年生くらいまで、シトロエンBXのワゴンボディのブレークというやつに乗っていました。それでいろいろなイベントに連れて行ってもらうのが楽しくて、フレンチブルーミーティングには1996年から毎年行っています。 ──みなさんの最初の愛車を教えてください。 本田 18歳のときに、ボビンメーターのシトロエンBXの初期型を買いました。それに7年くらい乗って、2020年の春に手放して、いまのBXになっています。 甲野 僕は17歳のときに、アルファ・ロメオ・スパイダーの最終型、シリーズ4を買いました。ランチア・デルタと迷ったんですが、免許取り立てだし、維持費のことも考えてアルファを選んだんです。当時、17歳でまだ免許がなかったので、僕は助手席に座って本田に試乗してもらいました。そうしたら、オープンカーがすごく気持ちよかったので、その場で“コレください”みたいな感じでした。 僕は本田の1学年下で、お互いかなり近所に住んでいます。共通の友人の紹介で知り合い、クルマの話をするようになったんですが、中学時代からなのでかなり長い付き合いです。 ──甲野さんは17歳でアルファ・ロメオを購入したということですが、購入資金はどうなさったんですか? 甲野 5歳のときから貯金をしていまして、誕生祝いや入学祝いは極力現金でもらうようにして、その8割をクルマ購入のための定期預金に預けていました。だからアルファも現金一括払いでした。 後藤 僕はふたりよりかなり出遅れていまして、学生時代はクルマを持っていませんでした。学生時代は自動車デザイナーになりたいと思っていて、ジョルジェット・ジウジアーロというデザイナーのクルマを探しました。初代パンダ、初代ゴルフなどいろいろあるのですが、最終的にはいすゞのジェミニとピアッツァで悩んで、いまのピアッツァになりました。その初めに買った一台に、今も乗り続けています。