子どもの乗り物酔い。市販薬「成分少なめ」がカギ?!座席選びのポイントも解説【小児科医】
座席のポイントは「揺れにくい場所」
酔い止め薬以外にできる対策として、乗り物の座席も大事なポイントです。 とにかく「揺れにくい場所」を選ぶこと。たとえばバスや船の場合、前方や後方ではなく、車両中央あたりの席だと揺れが少ないです。飛行機の場合は、翼の横の席がいいでしょう。また自動車なら、景色が見える前方の席がおすすめです。またどんな席でも「地平線や、遠くの固定された物体を見ること」や「読書や画面を見るのを避けること」が大事になります。 この理由としては、乗り物酔いは「めまい」の一つだからです。「めまい」にはさまざまな種類がありますが、とくに乗り物酔いの場合は、「視覚から得られる情報」と「そのほかの体の感覚から得られる情報」とが、脳の中でうまく統合できないことから生じます。
薬は車内に放置しないで。飛行機も手荷物で。
酔い止めの薬以外にも、帰省や旅行の際には、普段から飲んでいる薬を持ち運びますよね。 それらの薬は「常に持ち運ぶ」ことを意識してください。車内に放置すると、冬場は寒さで、夏場は暑さで、薬の剤形が変化してしまったり、薬の効果が十分に保てなかったりする場合があります。 また飛行機の場合、カウンターで預けた荷物が目的地に届かないトラブルもありえます。薬は必ず手荷物に入れて搭乗するようにしましょう。 そのほか、母子健康手帳・お薬手帳もあると、万が一の体調不良の際に安心です。子ども連れの移動は大変ですが、ポイントをおさえて安全・安心に楽しみたいですね。 文・監修/白井沙良子先生 構成/たまひよONLINE編集部 冬休み、年末年始のお休みがもうすぐ。旅行を楽しんだり祖父母に会いに帰省を考えたりしている家庭も多いことでしょう。すてきな思い出をつくるためにも、子どもが気持ちよく過ごせるように酔い止め対策をして出かけませんか。
【参考文献】
・UpToDate “Motion sickness” ・『チャイルドヘルス』2024年4月号 特集「子どもと安心・安全に旅する極意~どうする!? 旅先の病気や怪我~」(診断と治療社) 監修者 白井沙良子 先生 PROFILE:慶應義塾大学医学部卒業後、総合病院に勤務。現在は小児科オンラインにて医療相談に携わりながら、小児科医として勤務中。まんが『はたらく細胞BABY』医療監修。5才と3才の男の子のママ。
たまひよ ONLINE編集部