身近にある「可能性」を抑え込まない…ものごとが「劇的に」上手くいく「たった1つの」行動とは
地方のFラン大学卒で0から営業を始めた著者は、いかにして「日本一の営業」へと大変貌を遂げたのか? 「毎日が凄く辛い」「外回りをしている自分が情けない」...消極的に取り組み始めた営業の仕事が天職になるまでには、どんな心境の変化があったのか? 人と人との関わり合いである営業で得た「学び」には、どんなビジネスにも活かせるヒントが満載。仕事への向き合い方や他者の心の動かし方に迷うビジネスマン必読の話題作『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』(山岡彰彦著)から、内容を抜粋して紹介する。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』連載第9回 『相手の立場に立つのは当然⁉...現代人が必ず実践すべき「本当に」相手を考えた振る舞いとは』より続く
変わるために、変える
ものごとを発展的に進めていくためには、それまでのやり方を変えたり、何かしら新しいことを始めたりしなければなりません。営業で言えば新規開拓やこれまでとは違う売り場づくり、新たな販売方法や販促策を取り入れるといったことがこれにあたります。それは私が携わっていたルート営業でも同じです。 毎週定められたお店を回っているルート営業でも、相性の良い店とそれほどでもない店が出てきます。営業の担当替えの際、前任者から引き継ぐ時にも同じようなことがあります。 「あの店は凄く協力的だからこれから伸びるぞ」と言われ、そのつもりで行くとなんとなく上手くいかなかったり、「あそこの店主は難しいからものの言い方に気を付けたほうがいい」とのアドバイスに従い、慎重な姿勢で臨むと案外そうではなかったり。同じ店を見ているのですが、それぞれ違った捉え方をしていることに気づきます。
好立地なのに“伸びない”店
やり方についても同じです。人は何かのきっかけがないと自分のやり方をいつまでも変えないものだと思います。じつはそのあたりに身近にある可能性を抑えこんでしまうものがあるようです。 西田酒店は市の中心街にあり、古くからここで店を構えている老舗の酒屋さんです。商売をするロケーションとしては最高の場所です。 しかし、この場所にしては信じられないほど売れないお店でした。周囲には全国チェーンのコンビニエンスストアやディスカウントストアが相次いで出店する好立地ですが、昔ながらのスタイルのお店にはかなり厳しい状況です。 中学校の先生をしていた店主は接客に少々難があり、お客さんにも一切の遠慮はありません。 「おじさん、これいくら?」 女子高生の手には発売したばかりの飲料のボトルが握られています。「ああ、それは……」と私が値段を告げようとすると、横から店主が「おじさんとは何事か、ちゃんとした言葉を使え!」と一喝。その女子高生は店主の大声に圧倒されて立ちすくんでいます。 こんなふうですから、最高のロケーションにもかかわらず来店客はまばらで、外の賑やかさとは一線を画した雰囲気が店内に漂っています。