【速報】坂 茂が「第35回高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞!
年に一度発表され、世界から注目を集める高松宮記念殿下世界文化賞。2024年、建築部門の受賞者は坂 茂でした。建築作品はもちろん、紙管による建築や災害支援活動も評価されての受賞です。 【フォトギャラリーを見る】 高松宮記念殿下世界文化賞は絵画・彫刻・建築・音楽・演劇の5部門で世界の優れた芸術家に贈られるもの。第35回の今年はそれぞれソフィ・カル、ドリス・サルセド、坂 茂、マリア・ジョアン・ピレシュ、アン・リーが受賞した。建築部門の坂 茂は丹下健三、安藤忠雄、槇文彦、谷口吉生、伊東豊雄、妹島和世+西沢立衛/SANAAに続く、日本人としては7組目の受賞者となる。
1957年生まれ、1985年に坂茂建築設計を設立した彼はフライ・オットーと協働した《ハノーバー国際博覧会日本館》で海外にも知られる存在となった。それ以降《ニコラス・G・ハイエックセンター》(東京、2007年)、《ポンピドゥー・センター メス》(フランス、2010年)、《アスペン美術館》(アメリカ、2014年)、《大分県立美術館》(大分、2015年)、複合施設《SIMOSE》(広島、2023年)などを送り出し、プリツカー賞(2014年)をはじめとする数々の建築賞を受賞している。 関連記事:坂 茂設計の複合施設が宮島の対岸にオープン! 関連記事:坂 茂設計の音楽堂がパリの西の玄関口に完成
彼のアイコンでもある再生紙による紙管は、独自の素材・構造による建築を作りたい、また廃棄物を出さないような建築を作りたい、と考えていた彼が見つけた素材だ。86年にアルヴァ・アアルトの展覧会の会場構成で紙管を使ったのを皮切りに、紙管によるギャラリーや《クライストチャーチ大聖堂 紙のカテドラル》(ニュージーランド、2013年)などを実現させている。
紙管は彼がライフワークとしている災害支援の現場でも活躍している。95年の阪神・淡路大震災では仮設住宅《紙のログハウス》を提供、またその被災地に建てた《紙の教会》は後に台湾に移築され、現在も使われている。紙管による避難所の間仕切りや仮設住宅は2011年の東日本大震災など国内だけでなく、トルコ北西部地震(1999年)やインド西部地震(2001年)など海外でも活用されてきた。ロシア侵攻によるウクライナ難民のための間仕切りや今年1月の能登半島地震仮設住宅も手がけている。 関連記事:坂 茂の紙管を使った間仕切りが、ウクライナ難民支援でも活用されています。 関連記事:坂 茂が始動した、能登の被災者支援。紙管の間仕切りから仮設住宅まで。