【速報】坂 茂が「第35回高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞!
30年にわたって災害支援に取り組んできた彼は次のように提言する。 「避難所は、自身も被災者である地方自治体の職員によって開設・運営されていて、過去に被災したほかの自治体の経験が活かされることもない。トイレも不足するし、食事は冷たい弁当です。イタリアではキッチンカーが食堂を開いて料理を提供し、ワインも出ます。有償でスタッフを雇って教育し、災害が起きると被災地に送り込む仕組みがパッケージ化されている。日本でもそうなってほしいと思って、今政治家の方をイタリアに視察に行きませんか、と誘っているところです」
建築家は特権階級のためだけではなく、困窮している人のために働くべきだ、とも坂はいう。SDG’sや住民を巻き込む建築の先駆けとなった彼の姿勢は、建築家の役割の変化を象徴するものといえるだろう。
第35回 高松宮殿下記念世界文化賞
受賞者一覧:絵画部門 ソフィ・カル(フランス)、彫刻部門:ドリス・サルセド(コロンビア)、建築部門:坂 茂(日本)、音楽部門:マリア・ジョアン・ピレシュ(ポルトガル/スイス)、演劇・映像部門:アン・リー(台湾)
text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano