ユーロのベスト4対決 ロナウドは不振脱出できるか? フランスの勝算は?
フランスを舞台に、約1ヶ月にわたって熱戦が繰り広げられてきた欧州選手権(ユーロ2016)も残すは3試合。日本時間7日未明にポルトガル対ウェールズ、同8日未明にはドイツ対フランスの準決勝が行われ、ヨーロッパの頂点を争うファイナリストが決まる。 3戦連続ドローの3位でかろうじてグループFを突破したポルトガルは、決勝トーナメント1回戦でクロアチアを延長戦の末に1-0で、準々決勝ではポーランドをPK戦の末に下した。つまり、今大会では一度も90分間で勝っていない。 苦戦を強いられた理由は、FWクリスティアーノ・ロナウドが精彩を欠いている点に集約される。全5試合で先発フル出場しているが、ゴールはハンガリーとのグループリーグ最終戦であげた2点のみ。オースリア戦ではPKを外している。 ロナウドは今年2月に31歳となった。大会通算得点を歴代1位のミシェル・プラティニに1差の8点に伸ばしたスーパースターに、何が起こっているのか。 ドイツサッカー協会の公認S級ライセンスを取得し、ブンデスリーガ1部のビーレフェルトでヘッドコーチを務めた経験をもつ解説者の鈴木良平氏は、「けがを抱えている可能性が高い」と指摘する。 「プレーを見る限り、右足の内転筋かハムストリング、あるいはひざに何かしらのけがを負っていると見ていい。リーガ・エスパニョーラの後半戦や優勝したチャンピオンズリーグでも、コンディションは万全ではなかった。おそらくはシーズン中からひきずっているのだと思う。 そうした状況を踏まえながらここまでの軌跡を比較すると、準決勝はウェールズに軍配が上がるのではないか。FWガレス・ベイルという突出した個を擁するウェールズだけれども、初出場を果たしたユーロの舞台で、彼一人だけで勝ち進めるはずがない。フィジカルコンディションのよさやハードワークを貫く姿勢、それらを生かしたチーム戦術といった総合力の高さが勢いを生み出している」