日本とフランスでこんなに違う「節約」事情。新作の服は買わない、チーズは専門店で買う
フランス人と言うといろんなキーワードが浮かびますが、少し悪い言い方で「ケチ」というのもよく聞きます。本当に彼らは「ケチ」なのでしょうか。フランス文化研究者・翻訳家のペレ信子さんは、「節約しつつもここぞというときにはお金を出す」と話します。ペレさんが、フランス人が倹約するところとぜいたくするところをレポートしてくれました。 【写真】フランスの「コンテ」チーズ
ほぼすべてのフランス人が節約しているものは「光熱費」
最近の燃料費の値上がりで私たちも以前よりも光熱費に気をつけるようになりました。電気、ガスをどこで支払うか、割引があるか、などいろんな基準で考えられるようになりました。「光熱費の節約術」の記事は雑誌でも人気があります。 フランスに行くと「光熱費の節約」傾向はもっと強く、昔から根づいていると感じます。自分の家の光熱費については、高齢者から若者まで、ほとんどの人が気にしているテーマです。光熱費に気をつけずに冬も薄着で過ごせるくらい暖房を使っている人を見たことはありません。今月は昨年の同じ月に対してどのくらい消費しているのか関心を持っていて、なるべく安く光熱費を下げようと努力しています。 暖房はセントラルヒーティングと言われる建物の一か所に熱源装置を設置して各部屋に暖房を送るシステムの家が多く、温度は低めに設定してセーターやスリッパを履いて防寒しタイマーでコントロールする。分厚い壁の家が多く雨戸の開け閉めで室温の調節に影響があるので、こまめに雨戸を開閉します。 先日家族で1週間滞在した夫の実家では、義父が水道使用量が普段の何倍にもなっていると嘆いていました(ごめんなさい)。 そのためか家賃に暖房費込み、水道使用料込みの物件はとても人気があります。
洋服はセール、もらいもの、中古品が多い
フランス人女性といえばおしゃれ、そんなイメージを私たちは持っています。そのイメージは正しいと思います。私もフランスに行くと、「すてきだなぁ」と思う人が多くて振り返って見とれますが、それは彼女達が新作の新品を着ているからではありません。服の組み合わせが個性的でその人物に似合っていて、独特の雰囲気があるからなのです。 フランスでおしゃれだと思う友人と買い物すると、おしゃれな店、話題の店をよく研究し、そこで気に入ったものに似た服や組み合わせを、持ち合わせの服や、中古品、セール品から探し出してうまく組み合わせて自分のスタイルをつくるというやり方をしていると感じます。 友達や知り合いがコートを新調したときに、いらなくなったコートを少額で譲ったり、もらったり、という循環をやっています。自分の不用品はだれかの宝物なのですね。