映画『ゴジラ-1.0』に登場する局地戦闘機「震電」の劇中登場仕様。キットは発売から40年超だからこそ必要となる丁寧な下地処理
【達人のプラモ術<震電>】
1/48 震電、第2回となる今回は機体を製作していきます。ハセガワの震電は発売から40年を超えるロングセラーキットということもあり、さすがにストレート組みでピタパチとはいきません。隙間や段差の修正、またパーツにはバリ(※1)やヒケ(※2)も多く見られるので、組み立てに際してはパーツの擦り合わせや隙間をパテで埋めるといった丁重な下地処理が必要になります。 【製作工程を画像で見る】 ※1「バリ」プラモのパーツの金型が摩耗してくると、成型の際に不要なプラスチックが流れ出てしまうことで生まれる、パーツの周囲にできる薄い膜状の部分。イメージ的には羽根つき餃子の羽根。こちらは美味しいけれどプラモのバリは削らないといけません。 ※2「ヒケ」パーツが金型から取り出された後の収縮が原因で表面にくぼみができている状態。厚みのあるパーツの表面に発生しやすい。 【教えてくれた人】 長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「モデルアート公式チャンネル」などでもレビューを配信中。
■主翼と胴体を合体…その前に
前回は、塗装したコクピットを胴体に挟み込んで接着しました。今回はそこに主翼を接着していくのですが…その前に。 前回の製作時に、「『ゴジラ-1.0』 劇中登場仕様で製作する場合、機首の30mm機関砲の右側2門を削る」と解説しているのですが、改めて確認したところ、削るのはパーツB11の右側の上側1門のみでした。その代わり、左側の1門(機首側)の銃身を取り付けないことで2門取り外された正しい劇中仕様となります。いや申し訳ない。 ちなみに震電の機関砲は4門で重量475kg。総弾数は各60発で重量195kgになります。劇中では2門取り外しているので、機関砲2門と弾丸を半分で単純計算でも335kgの軽量化となり、機首に250kg爆弾を収めることは可能なワケです。 また通常の戦闘機では機外に投棄する機関砲の薬莢と装弾子ですが、震電の場合は投棄した薬莢で機体後部のプロペラを破損する可能性があるため機内の箱に回収される構造になっていました。