ソウルラッシュのGⅠ初戴冠の裏で起きた、見過ごせない“異変”。外枠が圧倒的有利に働いた2つの要因【マイルCS】
ソウルラッシュが直線強襲し、初のGⅠ戴冠。鞍上は雄叫び
レースを簡単に振り返ってみよう。 スタートでチャリンとジュンブロッサムが立ち遅れ、それぞれ14番手、16番手と後方に置かれる。バルサムノート(牡4歳/栗東・高野友和厩舎)がハイペースで引っ張るなか、ウインマーベルは4番手を追走し、中団にエルトンバローズ、ブレイディヴェーグ、セリフォス、オオバンブルマイなどが密集してレースは進んだ。 動きが出たのは第3コーナー過ぎ。ウインマーベルが積極的に仕掛けて出ると、エルトンバローズもそれに連れて動き始める。そして直線、馬場の中央を通ってウインマーベルが先頭に立つが、そこへソウルラッシュが強襲。力強いフットワークで鮮やかにウインマーベルを差し切ると、さらに後続との差を広げていく。 その後ろではウインマーベル、中団から伸びてきたエルトンバローズ、ブレイディヴェーグ、後方から急追するチャリンが激烈な争いを繰り広げるが、ソウルラッシュは鞍上の団野大成騎手がゴール前で立ち上がって雄叫びを上げるほどの余裕をもってトップでゴール。2、3着争いは、終いまでしっかり伸びたエルトンバローズが2番手に上がり、粘ったウインマーベルが3着。ブレイディヴェーグはそれにハナ差届かず4着となり、チャリンが意地を見せて5着に入った。 ルーラーシップ産駒のソウルラッシュは7度目のGⅠ挑戦、マイルチャンピオンシップは3度目の参戦にして初の戴冠。昨年の本レースを2着、今年の安田記念(GⅠ)を3着と、善戦しながらもなかなかタイトルには手が届かなかったが、6歳の秋にしてモヤモヤを一気に払拭するような圧勝劇を披露した。 外の13番枠からのスタートを生かしてごちゃつきを避けながらスムーズなレース運びで大望を果たしたソウルラッシュ。混戦模様のレースでは、こうした差が勝敗を分ける重要なポイントとなる。喜びのあまりゴール前で立ち上がったため過怠金5万円を課された団野大成騎手は、「ある程度テンに付いていけないのは覚悟していたので、そこから馬のリズムでしっかり運べたかなと思うし、それが最後の伸びにつながったのだと思う」と、前走からの連続騎乗を依頼してくれた陣営への感謝とともに勝因を振り返っている。 ソウルラッシュは今後、順調ならば招待を受諾している12月8日(日)の香港マイル(香港・G1)へ遠征し、昨年4着のリベンジを目指すとのことだ。
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