南海トラフ地震臨時情報「特段の変化なければ1週間経過する15日に『呼びかけ』を終了へ…」しかし1週間は安全基準ではない
東日本大震災発生2日前の地震
マグニチュード7クラスの地震後、2日後に巨大地震が起きた事例は日本です。2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の2日前、3月9日に三陸沖地震が発生しました。この地震では、宮城県栗原市などで最大震度5弱を観測。東北地方の太平洋沿岸に津波注意報が発表され、最大の55cmの津波が観測されました。この2日後、マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生し、死者・行方不明者が2万人を超える甚大な被害となったのです。 さらに、世界で起きた大規模地震では、マグニチュード7以上の地震後、14日目にマグニチュード8クラスの地震が発生した事例が2つあります。 一般的に、地震が続けて発生する可能性は、地震発生直後ほど高く、時間の経過ともに低くなっていきますが、ゼロになるわけではないのです。
「日頃からの地震の備え」をいつまでも続ける
「臨時情報」の発表からきょうで6日目。これから“無事に”1週間を迎えるかどうかにかかわらず、地震への備えは普段からやっておいた方がよいことに違いありません。自然を相手にして“絶対”や“可能性ゼロ”はあり得ない―。 結局のところ、南海トラフ地震の発生確率が今後30年で70~80%とされているからこそ、「臨時情報」発表の有無にかかわらず、普段どおり備え続けていくことが大切です。 ◆取材・文 福本晋悟 MBS報道情報局 災害・気象担当記者。人と防災未来センター特別研究調査員。今年5月、初の「臨時情報」発表時を想定した特集を放送。