宮城・鳴子温泉の大規模風発計画、事業者が断念 アセス「準備書」後に異例の撤退
宮城県大崎市の鳴子温泉郷での大規模風力発電（風発）計画をめぐり、地域住民の声を受けた地元市長らが反対していた問題で、事業者が計画を断念したことが分かった。事業者は「総合的な判断」としている。計画は環境影響評価（アセスメント）手続きの第3段階「準備書」提出まで進んでおり、大規模風発計画の準備書段階での断念は極めて異例。 【地図でみる】反対運動などのある北海道・東北の主な風力発電計画 計画は「（仮称）六角牧場風力発電事業」。札幌市の市民風力発電（鈴木亨社長）と関連会社CSSが出資する事業目的会社「川渡（かわたび）風力発電」が、東北大の牧場地に高さ最大200メートルの風車を最大17基建設する計画だった。 しかし、地域住民らの反対が相次ぎ、地元市長らも反対を表明。事業者は令和5年1月、計画見直しのためアセス準備書を「いったん取り下げる」と表明していた。事業者は今回、「総合的な判断により、再度の準備書の作成と環境アセスメントの手続きは行わないことにした」としている。
