家では話せるのに、学校では喋れなくなる...ドラマ「放課後カルテ」で注目された「場面緘黙」の子が身近にいたら?専門家に聞く
俳優の松下洸平さんが主演の土曜ドラマ「放課後カルテ」(日本テレビ系)の2024年12月6日の第8話で、家では話せるのに学校では話すことができない「場面緘黙(ばめんかんもく)」の女の子を中心としたストーリーが放送された。Xでは「場面緘黙」が一時トレンド入りするなど、話題になった。 【画像】「学校での行動表出チェックリスト」 身近に場面緘黙の子どもがいた場合、どのように接することが望ましいのだろうか――。場面緘黙に関する情報交換や理解促進のための活動を行う「かんもくネット」の代表で臨床心理士の角田圭子さんはJ-CASTニュースの取材に、「質問はせずに、普通に話しかけてほしい」と話す。 ■放課後カルテで注目 「放課後カルテ」は、学校医として小学校の保健室に常駐することになった小児科医・牧野峻(松下さん)が、子どもたちの「言葉にできないSOS」を見抜き、子どもやその家族を救っていくヒューマンドラマだ。原作コミック(日生マユ、講談社)も人気を博した。 ドラマ第8話で登場した小学1年生の真愛(子役の英茉さん)は、家では元気に話せるのに、学校では話せない。主人公で学校医の牧野(松下さん)は、それに悩む母・彩(野波麻帆さん)と、真愛の担任・芳野(ホラン千秋さん)から相談を受ける。牧野は、真愛が「場面緘黙」だと判断。交換日記で真愛と仲良くなろうと試みる――という内容だった。 場面緘黙とは、家などでは会話できるものの、学校など話すことが期待される特定の状況でそれが困難となる症状だ。「身体の緊張が強く、思い通りに動くことができない人もいる」(福村出版「教職をめざす人のための特別支援教育 基礎から学べる子どもの理解と支援」、奥村真衣子・信州大学助教)という。 ドラマ内でも、学校での真愛は無表情で、担任の芳野やクラスメートに話しかけられても、無反応か、わずかに首を動かすことしかできなかった。 ドラマでは学校医の牧野が、真愛に対する接し方として「無理に話させようとしない」「過剰に褒めることも緊張につながる」と話す場面があった。そのほか、大勢の前に立つ「音楽会」では、真愛の緊張を和らげるため、声を出さなくても参加できる振付けを取り入れるといった工夫をしていた。 一方で、クラスメートの男子が「なんで喋らないの?」「みんなで喋れって言おうぜ」と発言する場面も。適切な理解がなければ、実際にこのようなことを言ってしまう人もいるかもしれない。