家では話せるのに、学校では喋れなくなる...ドラマ「放課後カルテ」で注目された「場面緘黙」の子が身近にいたら?専門家に聞く
子どもたちには「話すとか話さないとか関係なく」接してほしい
「かんもくネット」の代表で臨床心理士の角田圭子さんに話を聞くと、身近に場面緘黙の子どもがいたら「質問はせずに、普通に話しかけてほしい」と話す。 クラスメートなど場面緘黙の子と近しい子どもに対しては、「話すとか話さないとか関係なく、仲間に入れて、一緒に遊んでほしい」という。 話すことに注目することはNGだ。かんもくネットが配布しているリーフレットによると、次のように説明されている。 「・『どうしてはなさないの?』『「あ」っていってみて』と、いわれると、とてもつらいきもちになります。・はなしたときに『あ!しゃべった!』といわれると ドキドキしてしまいます。 ・『はなした』『はなさない』に、ちゅうもくしないでください」 こうした接し方をクラスメートに理解してもらうためにはどうしたらよいか。 クラスメートに「家では普通に話せるけど、クラスではまだ緊張していて話すことが苦手です」「みんな苦手なことあるよね?」「みんなも発表するとき、ドキドキすることないかな?」など、子どもにとって理解しやすい言い方で説明することが大切だ。事前に必ず保護者と相談してほしい。 子どもと保護者の了承を得た上で、絵本「なっちゃんの声-学校で話せない子どもたちの理解のために」(はやしみこ著、学苑社)を、その子がいない教室で、先生が読む方法がある。さらに、サンプルメッセージをもとに場面緘黙の子自身が書いた作文を先生に読んでもらい、子ども自身の気持ちを伝えることもある。そのあとで、クラスのみんなから一言メッセージを書いてもらうとお互いの気持ちがわかって関係がよくなる。 角田さんは、「場面緘黙の子どもの親からおしゃべりの練習の協力を求められたら、協力してほしい」と話す。たとえば、知り合いの人なら、電話で話す練習に付き合ってほしい。図書館やお店の人は子どもからの質問につきあってほしい。また、放課後の教室で、学校の先生や友達など少人数でおしゃべりの練習の支援をすることがある。先生は会議や出張で参加できないケースもあるが、できるだけ協力してほしい。スクールカウンセラーや、友達にも協力してもらえるとありがたい、と説明した。