初3ナンバー&等長等爆へ!4代目レガシィワゴンBP5の評価は?【清水和夫がイッキ乗り】
1989年の初代登場から、2014年の5代目最終型オーダーストップまでの約25年間、ツーリングワゴンの代名詞として愛されてきたスバル・レガシィツーリングワゴン。レオーネ時代にスバルのワークスドライバーを務めていた国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが今、改めて歴代レガシィ・ツーリングワゴンを一気乗り! 初代BF5、2代目BG5、3代目BH5、そして今回は4代目BP5の清水インプレッションを動画と共にお届けする。 IMPRESSION:清水和夫(Kazuo SHIMIZU)/MOVIE:StartYourEnginesX/ASSIST:永光やすの(Yasuno NAGAMITSU) スバルが初めて日本カーオブザイヤーを受賞、ひと回りサイズアップした4代目BP5 スバル4代目レガシィツーリングワゴンの詳しい記事を見る 「2003年に登場したスバル4代目レガシィツーリングワゴン、記憶に残っているのは、このクルマが2003-2004日本カーオブザイヤーに輝いたこと。投票会場に竹中社長(当時)がサプライズで来て、それで人気を得て最後の得点を稼いだ…とも言われている。この頃、スバルは勢いがあったよね。まぁスバルがカーオブザイヤーを獲るなんて夢にも思っていなかったけど!!(笑)。 ライバルはトヨタの2代目プリウス、それをレガシィがやっつけた!ということで、トヨタとスバルの睨み合いが当時あったけど、それはいい意味での競争だったね」(清水)。 4代目BP5、実は地味なクルマなのか? 「3代目まではイケイケのクルマ好きたちに支えられていたが、BP5はもうちょっと大人っぽい、輸入車のユーザーも取り込もうとした。アメリカでも人気のレガシィツーリングワゴン。アウトバックで作り分けはしていたが、アメリカからは『もっと大きいサイズを!』と言われていたからね」(清水)。 そして、このモデルから初めて日本で3ナンバーになった。 「3代目まで5ナンバーを死守してきたが、3ナンバーになってよりキャビンもルーミー(広々)になったことで、更に使い勝手が良くなったと言える」(清水)。 シングルターボで等長等爆化、「らしい」ボクサーサウンドが消えた!? シーケンシャルターボ(※2ステージ・ツインターボとも呼んだ)からシングルターボへ変わったことも大きな変化だ。 「技術的にはGTBで使った技術を使い、低速から粘りっこいエンジンになっているので、より一般道では乗りやすくなっている。 エンジンが『等長等爆』といって、右バンクと左バンクのエキゾースト系の距離が同じになった。今までは触媒を搭載する関係で、左右のバンクのエキゾースト長が違っていたが、エンジンの音、振動を良くするため、スバルは必死になってターボの搭載位置、触媒の配置等を苦労しながら等長等爆エンジンにした。だから、この頃からスバルのエンジンは大人っぽい、洗練されたエンジンになって“しまった”…という言い方は微妙だが、好きモノは昔のスバルの『ボロロンッ』という音が特徴、個性と感じる人もいると思うが、このエンジンから大人っぽいエンジンになったなという感じ」(清水)。 ・ワイドボディでワゴンとしての使い勝手が向上、さらにハンドリング性能もアップ! 「走り的には、低速トルクを上げたことによって、ワイドボディのかったるいところは無くなった。だから、ワゴンとしての使い勝手は見事に向上した。 このワゴンを目指して、ホンダ・アコードワゴンなどのライバルが『打倒レガシィ!』としてい~っぱい出てきたが、スバルの牙城を崩すことはできなかったね」(清水)。 3ナンバーボディになりサイズは広がったが、ドライビングポジションやAピラーの辺りの視界性能、ペダル配置…、1mmも変わっていない。乗り心地はかなり良くなっている。先代BH5と同じ17インチの215/45-17、ハブの剛性もGT-Bのときに上げていたから、ステアリングの剛性もシャープになって正確性が増している。ワイドボディになっても、むしろワイドボディになったほうがハンドリング性能は良くなっているって感じ」(清水)。 「こうやって改めてレガシィの1代目から乗ってくると、まさに桂田勝さん(※レガシィ3代目開発主幹/元STI代表取締役社長)がおっしゃっていた『不易と流行』、変えてはいけないところ、変えなくてはいけないところ、それが明確に息づいているのを感じる」(清水)。 スバル・レガシィツーリングワゴン4代目BP5のすべてのインプレッションは動画で! https://youtu.be/UX0Vyfv55UE?si=UrArybXQWFbMfThb ■SPECIFICATIONS ●スバル レガシィ2.0GT(BP5/2003年5月) 全長×全幅×全高:4680×1730×1470mm ホイールベース:2670mm トレッド(F/R):1495/1485mm 車両重量:1430kg(5MT)/1460kg(5AT) エンジン:EJ20 水平対向4気筒DOHC 16バルブ ターボ 排気量:1994cc 圧縮比:9.5 最高出力:280ps/6400rpm(5MT)/260ps/6000rpm(5AT) 最大トルク:35.0kgm/2400rpm 駆動方式:フルタイム4WD トランスミッション:5MT/5AT サスペンション(F/R):ストラット式独立懸架/マルチリンク式独立懸架 ブレーキ(F/R共):ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ(F/R共):215/45R17 車両本体価格(税込):288万円(5MT)/295万円(5AT)
清水和夫
【関連記事】
- スズキに神降臨!? 新型「フロンクス」は4WDに金メダル!【清水和夫試乗動画】
- これぞラリーのだいご味! 泥だらけだった全日本ラリー選手権 第6戦「2024ARKラリーカムイ」 写真レポート 【Vol.1】
- やっぱり「2位じゃダメなんです!」クラストップを追う2位清水和夫、「差は詰まってきた!」 【全日本ラリー選手権】
- SUVでもやっぱりコイツはフェラーリ! プロサングエの725馬力/V12をストリートで初乗りチェック。「見るべき技術がてんこ盛り!」 【清水和夫SYE試乗】
- ハイソカーの代名詞、トヨタ「ソアラ(Z10)」の、時代をリードした初モノ尽くしの新機構・新装備とは?【歴史に残るクルマと技術046】