井岡一翔リベンジ戦中止にABEMAショック! ホープ堤駿斗に期待「いい中継になる」
ピンチがチャンスになるか。ボクシングのWBA世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)に同級6位・井岡一翔(35=志成)が挑戦する同タイトルマッチが30日、マルティネスのインフルエンザ罹患により中止が決定した。緊急事態にも、生中継するインターネットテレビABEMAのプロデューサー、北野雄司氏は、期待のホープであるWBA世界スーパーフェザー級9位・堤駿斗(25=志成)と同級14位レネ・アルバラード(35=ニカラグア)の同級挑戦者決定戦があることから、「いい中継になると思う」と期待した。 【写真】突然のメイン昇格となった堤駿斗 在宅率が高い大みそかは多くの視聴者が見込める条件にあり、昨年大みそかの井岡の試合は、同年に放送されたABEMAの格闘技中継で最多の視聴者数を記録した。その主役が出場しないとなれば、中継に与える影響も大きいと思われる。北野氏は「残念は残念ですけど」とショックの色をにじませながらも、「井岡さんらの気持ちを思えば…。私たち以上に残念に思っている方がいるので」と、当事者の心情をおもんぱかった。 直前での中止であるため予定の変更も難しいが、「やるべき仕事をやる。機会をもらっているので」と前を向く。この日、井岡が中止を受けて「切り替えて次に進んでいきたい」と発言しており、北野氏は「井岡さんがそう言うのだから、我々はますます切り替えてやらないといけない」と気持ちを奮い立たせた。 そして、メインイベントに繰り上がった堤の試合を「それはそれで素晴らしい」と期待。堤と同階級で世界王座を獲得した人気者の畑山隆則氏らが解説者を務めることもあって「いい中継になると思う」と期待した。 これがプロ6戦目の堤は世界ユース選手権で金メダルを獲得するなど、アマチュアで多くのタイトルを獲得した超有望株だが、4月の前戦で1・6キロの体重超過をしたことで半年の資格停止処分を受けていた。今回は汚名返上とともに世界挑戦権もかかる重要な一戦。この日、計量を1回目でパスした堤は井岡の帽子を着用しており、井岡からは「自分のことに集中して」と声をかけられたという。 大みそかの顔である井岡に代わって2024年のボクシングの大トリを務めることに、「一翔さんが一番悔しいと思う。背負うなんて自分ができる状況じゃないですけど、一つの興行をいい形で締めくくりたい」と表情を引き締めた。2024年のボクシング界をハッピーエンドにできるか。
洪経人