「発表会チケット20枚なんて売りさばけないっ!」娘の「ダンス教室」の9万円「自腹買い」にあえぐ母の悲劇
「最初は本当にただダンスを楽しみましょうって感じでした。当時の月謝は6000円で、きょうだい割引で下の子は5000円。他にお金がかかるといえば、年に1度、市営ホールの小さい方の会場で発表会を開催する時の参加費1万円だけだったんです」 当時、発表会の観客はほぼ身内のみ。レッスン生はまだ20名ほどで、年に1度小ホールで行うイベントでさえ会場は半分も埋まらなかった。 「でも、そのうち徐々にダンス教室として地元で認知されるようになってきて、他のボーカルチームとコラボしたり、大会に出たりしているうちに、レッスン生も増えていったんです」 小さなビルのテナントにあった教室は大きな倉庫風の建物に引っ越して講師も増員。活動範囲もどんどん拡大した。 「地元のケーブルテレビから取材を受けたり、市のイベントに呼ばれてステージをこなしたり……。毎週のようにどこかに呼ばれる月もありますね」 娘さんたちが所属するダンス教室は、一般のファンまで付く人気が上がっていったという。 「確かに娘たちのダンスのスキルも向上しました。チームや個人でコンテストに入賞したりするようにもなって。それでいつのまにか、先生も保護者たちも発表会を『ライブ』と呼ぶようになっていました」 やがてダンス教室の活動は加速していき、別途のレッスン料や豪華すぎる衣装などお金儲けとしか思えない行動をとっていくのだが、詳細は後編で記述する。 取材/文 中小林 亜紀 PHOTO:Getty Images
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