単語が思い出せず「あれ」「それ」しか出てこない…老化していく脳を元気にする"身近な野菜"
■カマンベールが認知症リスクを低くする 認知症の原因のひとつと言われているのが、脳の神経を保護したり発達させたりするタンパク質、脳由来神経栄養因子(BDNF)の不足です。脳由来神経栄養因子が不足すると、記憶や学習能力などの認知機能が低下してしまいます。 その脳由来神経栄養因子が、カマンベールチーズを食べることで増えるということが、同研究グループの調査(※)によって判明したのです。 ※Suzukiら JAMDA 2019 軽度認知症と診断された70歳以上の人たちに、市販の6ピースプロセスチーズとカマンベールチーズを食べ続けてもらったところ、カマンベールチーズを食べた人たちの脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度が6.2%も上昇したのです。 カマンベールチーズだけにこのような結果が出たのは、白カビがポイントだと考えられています。白カビによってつくられる物質に抗炎症作用があることが動物実験で知られており、それがさまざまな健康有用性につながるようです。 カマンベールチーズなら食事中も、空腹時のおやつとしても食べやすいのではないでしょうか。身体にも脳にもよい効果をもたらしてくれるチーズを、ぜひ積極的に取り入れてみてください。 ■「肉を食べると長生きする」は本当か ②魚 「長生きの人は肉を食べている」といった話を聞いたことがあると思います。この根拠のひとつは、日本人で100歳以上まで長生きをした人たちを調べると、平均的な日本人と比べて、肉や魚から摂取できる動物性タンパク質をたくさん食べていたという事実(※)があるからです。 ※Shibataら Nutrition and Health 1992 しかし、この研究は肉食だけをハイライトしたものではありません。また、長寿者が動物性タンパク質をよく食べていたという事実だけで、動物性タンパク質を食べたから長生きしたのかどうかはわかりません。 一方、フランスで行われたコホート研究では、65歳以上の高齢者を約10年間追跡した結果、肉を食べる習慣が少ない人(概ね週に1回以下)は、認知症のリスクが高いことが指摘されています(※)。医学的には、腎臓の機能が正常であれば、肉食は推奨されると考えてよいと思います。 ※Ngabiranoら Journal of Alzheimer’s Disease 2019