【闘病】ドクターショッピングの末にわかった「クローン病」 なんで自分が…
小腸大腸を中心に全ての消化管粘膜に炎症や潰瘍を起こす疾患で、国の難病にも指定されているクローン病を患ったナオコさん。ここでは彼女が経験した症状や治療、現在の生活などからクローン病との向き合い方、生活上の注意点を聞きました。 【イラスト解説】「クローン病」になると現れる4つの症状 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
不調の原因がわからずドクターショッピングが続く日々
編集部: 初めにクローン病について教えていただけますか? ナオコさん: 炎症性腸疾患(IBD)の一つで消化管の大腸と小腸の粘膜に慢性的な炎症と潰瘍が発生します。原因についてははっきりしていませんが、遺伝や細菌・ウイルス、食事の成分、血流の障害など様々な学説があるそうです。 編集部: どのような症状があるのでしょうか? ナオコさん: 粘膜の炎症によって腹痛や下痢、血便、体重減少などが現れます。クローン病は若い方に多いとされ、消化管の粘膜に炎症や潰瘍が生じます。 編集部: ナオコさんがクローン病と判明するまでの経緯も教えていただけますか? ナオコさん: クローン病と判明するずっと前から、原因不明の咳がありました。何が原因かわからず、様々な診療科で薬や漢方薬、吸入薬をもらっても改善しない日々を過ごしていました。 そのうちお腹も下すようになりましたが、それよりも咳のほうが辛く、受診してもお腹のほうにはフォーカスされずにどんどん悪化していきました。さらに、脱水症状で点滴をして帰されることが続いたため、総合病院の救急外来を受診しました。 ちょうど消化器内科のIBD専門の医師だったこともあり、即検査と入院になりました。その時点で「おそらくクローン病でしょう」と言われ、聞いたことのない病気だったこともあり、よく理解できていませんでした。 編集部: 病名が判明した時の心境はどのようなものでしたか? ナオコさん: 知らない病名でしたし、体も辛いし、絶望感で一杯でした。病理検査で結果が出るまで時間があったため、「私は死ぬのか」「今までみたいな生活は遅れないかも」と頭の中はネガティブキャンペーン状態でした。 ただ、時間だけはあって暇だったので、色々と調べるうちに、クローン病というものを理解しました。一生付き合っていく必要があること、食事制限があることも知りました。 私はこれまで、飲むこと・食べることが楽しみで生きてきました。さらに、離婚したばかりだったこともあり、「なんで今の自分なんだ」とぶつけようのない怒りが湧いてきて、受け入れるまでにはかなりの時間が必要でした。 編集部: 医師からはどのように治療を進めると説明があったのでしょうか? ナオコさん: 子どものときから尋常性乾癬持ちだったので、そちらにも使えるステラーラの投与を勧められました。試しにやってみたところ、状態が良さそうだったので現在も継続しています。 咳は呼吸器科の検査でも原因がわかりませんでしたが、入院で消化器の治療が落ち着くに従って改善しました。 先生としても「クローン病と咳の因果関係は証明が難しいものの、症状が治るにつれて咳も緩和されるなら関係していると言えるのかもしれない」とのことでした。 また、「エレンタールを飲めるようなら続けてほしい」と説明されました。最初は飲みにくくて吐くこともあり、かなりストレスでしたが、今は慣れてきて1日に1回飲んでいます。