長嶋監督に暴言浴びせた“地獄の伊東キャンプ”…篠塚和典氏が語るミスターとの師弟関係「ノックで監督に向かってボールを投げた」
中畑氏にたきつけられ長嶋監督を挑発
この伊東キャンプの最後、篠塚氏は長嶋監督に暴言をはいたという。その真相を聞いてみると…。 篠塚: 最後の暴言ですか。それだけきつかったんですよ。きつい中で、監督とコーチはみんな腕組みしてベラベラしゃべってる。中畑さんなんかとそういう話をしてたんですよ。 ランニングの最後の1周の手前で、中畑さんがいきなり、「おいシノ、あそこで腕組んでる連中、全部走らそうか」とか言うから、「いや、全部は走らないでしょう」と。そしたら、「じゃあ、お前、監督に言え」って。だから走りながら何て言おうかなと考えたんです。「監督、走ってください」じゃつまんないじゃないですか。 徳光: それはシノさんが言わなきゃいけなかったんですか。 篠塚: そうなんですよ。「シノ、お前言え」って言われたんで。 篠塚: 長嶋さんがちょうど腕組んでたから、「監督、腕組みなんかしてねえで、一緒に走れよ。走ってみろよ!」って言ったんですよ。そしたら中畑さんは、「お前、よくそんなこと言えるな」だって。自分でけしかけておいてね(笑)。そうしたら、後ろから「なにー!」って。 徳光: 長嶋さんが。 篠塚: そう、長嶋さんが走ってきたんです。1周走りましたよ。周回ですから、我々みんなは監督を追い抜いちゃって、最後の坂道の下で待ってたんです。でも、なかなか来ないんですよ。そしたら、何ていうのかな、“お尻が割れる”とかって言いますよね、そういう感じの走り方でやってきた。みんな拍手で迎えて、それで最後になんか長嶋さんとの距離がものすごく近くなったんです。 徳光: なるほど。 シノさんたちは気が付いてなかったかもしれませんけど、選手が引き上げた後、最後に長嶋さんがマウンドにトンボをかけてたんですよ。夕日が落ちかけてる伊東球場。これは絵になったし、あの光景を見てると胸に迫る思いがありましたね。 (BSフジ「プロ野球レジェン堂」 24/7/9より) 【後編に続く】
プロ野球レジェン堂
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