天才建築家が率いるBIGのビックリ建築 10選
スキーができるゴミ処理施設、地中に埋まった博物館、大きくツイストした橋etc.。その全ての作品が独創を究めたデザインで世界の建築ファンを虜にする、コペンハーゲン発の建築設計事務所、BIG(ビャルケ・インゲルス・グループ)。もちろんその魅力は独創性だけではない。地域の歴史や文化、物語をていねいに解釈しながら新しい技術を積極的に採用し、未来へとつながるランドマークとして成立している点も、BIG建築の見どころの一つだ。
コペンヒル(デンマーク・コペンハーゲン)
ゴミ処理施設の屋根が自然豊かなスキー場に! 2019年、コペンハーゲンに完成したゴミ焼却発電所。山のないコペンハーゲンに、ごみの山ならぬ街を一望できる丘を作ろうと発案。高さ85メートルの建物の屋根は全長450メートルのスキー場となり、その他にもハイキングコースやクライミングウォールも設置した。アクティビティのみならず、さまざまな種類の木々や植物を植え、鳥や虫が訪れる緑豊かな公園もデザイン。ネガティブなイメージがあるゴミ処理施設が「遊びに行きたい!」と思わせるコペンハーゲンのランドマークになった。
ザ・スパイラル(アメリカ・ニューヨーク)
公園の緑が空へと続く、螺旋階段の超高層ビル 2023年に完成したばかりのマンハッタンの超高層オフィスビル「ザ・スパイラル」。BIGにとっては初の超高層建築だ。その名の通り、ビルの外側をくるくる回るテラスが特徴となり、隣接するハイライン公園の緑をスカイラインへとつなげる設計が見どころだ。各階に造られた屋外スペースが連続的につながり、ビルをぐるりと回りながら上昇。公園の緑を垂直方向につなげることで、自然を取り込む快適なワークスペースを実現している。
ザ・ツイスト(ノルウェー・イェヴナーケル)
ねじれた橋が川をまたぐ、美しいアートギャラリー オスロから1時間ほどの広い森の中に現れる、ぐにゃりとねじれた橋。BIGが手がけた建築であり芸術作品でもある。ここはかつて製紙工場だった広い敷地を彫刻公園として再生した現代アートの美術館、システフォス・ミュージアムの一部。敷地内を流れる川をまたぎ、公園内の彫刻の小道をつなぐ役割を果たすと同時に、さまざまなプログラムを実施するギャラリースペースとしても機能する。