ロッテ・中森俊介の現在地「いつ呼ばれてもいい状態で僕はしっかり準備するだけ」
「いつ呼ばれてもいい状態で僕はしっかり準備するだけなので、状態を上げてしっかり呼ばれるように準備したいなと思います」。 ロッテの中森俊介は、再昇格を目指しファームで腕を振っている。 9月10日の日本ハム二軍戦、1イニング目の2回が16球中12球がストレート、9月17日の楽天二軍戦でも初回9球中8球がストレートと、立ち上がりは力で押す投球が目立つ。その中でストレートについて中森は「一時期また落ちていたので、それに比べて良くなってきたと思います」と手応えを掴む。 前回登板の楽天戦では、0-0の2回二死走者なしで吉野創士に1ストライクから投じた2球目のインコース146キロストレートが良かった。「あれはいい球だったと思うんですけど」としながらも、「その後、外の真っ直ぐが抜けてインコースを捉えられているので、そこは精度を高めたいなと思います」と、1ボール2ストライクからセンター前に運ばれた148キロのストレートは納得がいかなかったようだ。 フォークも良い。9月10日の日本ハム二軍戦、0-0の2回先頭の有薗直輝を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた4球目の138キロフォークはストライクゾーンからボールゾーンに落ちた。本人も「鎌ヶ谷の時はまっすぐも走っていましたし、いい軌道で落ちてくれたと思います」と振り返った。 落ち球でいうと、縦に落ちるスライダーも投げている。9月17日の楽天戦の3-1の5回先頭の吉野に1ボール2ストライクから空振り三振を奪った127キロの縦に落ちるスライダーはストライクゾーンからボールゾーンに良い落ちだった。中森は「以前投げていたスライダーですけど、ここ2試合は大きいスライダーを多めに投げていました。それまでは速いカット気味のスライダーを投げていたので、どちらもいい感覚で投げられていると思います」と明かした。 「この前の楽天戦もスライダーで空振りを取れたり、打ち取れているので、調子が良いからこそ大きいスライダーばかり投げるのではなくて、満遍なくバッターの的を絞らせないように、満遍なくいろんな球種を投げられたらなと思います」。 ◆ 投げる体力 7月18日に一軍登録抹消されてからファームで6試合投げているが、8月6日の西武二軍戦で7回2/3・101球を投げ、8月13日の巨人二軍戦、9月17日の楽天二軍戦では6イニングを投げた。 中森が一軍で投げていた6月13日の取材で、中盤以降ストレートの球速が落ち、「シンプルにどんどん投げて体力をつけないといけない」と課題を口にしていたが、あれから3カ月近く経過し、“投げる体力”に関してはどうなのだろうかーー。 「投げる体力は、楽天戦はそこまで良くなかったんですけど、鎌ヶ谷はだいぶ状態が上がっていたと思うし、最後まで球威のある球で押せていたと思うので、その調子を続けられたらなと思います」。 課題を持ってファームで腕を振る中森。一軍からいつ声がかかってもいいように、準備を続けていく。 取材・文=岩下雄太
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