写真：Impress Watch

OpenAIは、12月5日から20日まで平日12日間連続の新サービス発表「12 Days of OpenAI」を開催し、20日の新モデル「o3」で完結した。200ドル(約3万円)のChatGPT上位プラン「ChatGPT Pro」から、動画生成AI「Sora」、新たなUIとなる「Canvas」、トピックや文脈をまとめて聞ける「Projects」、Mac対応の強化、API強化な多くの発表が行なわれた。 この記事では、それぞれの発表の概要をまとめて紹介する。 ■ 1日目：OpenAI o1 and o1 pro mode in ChatGPT ChatGPTの新たな上位プラン「ChatGPT Pro」を開始。月額200ドルで、最も賢いモデル「o1」への無制限アクセス、o1-mini、GPT-4o、Advanced Voiceへのアクセスなどを含む。より高度な思考で難問への優れた回答を提供する「o1 proモード」に対応する。 また、推論タスクに優れたモデル「o1」がpreview版から正式版となり、高速化している。 ■ 2日目：Reinforcement Fine-Tuning 新たな強化学習ファインチューニングプログラム(Reinforcement Fine-Tuning Research Program)。開発者や機械学習エンジニアが、特定のドメイン固有のタスクに最適化されたエキスパートモデルを作成するためのプログラム。 ■ 3日目：Sora テキストから最長20秒の現実的な動画を生成できるAIモデル「Sora(ソラ)」を一般公開。ChatGPT Plus(月額20ドル)とChatGPT Pro(200ドル)のユーザーが利用可能に。 テキストからビデオの生成のほか、テキストから画像→ビデオ、テキストとビデオ→ビデオの生成などが可能。 ■ 4日目：Canvas ChatGPTで回答やコードを表示しながら修正・改善できる機能「Canvas」を全ユーザーに開放。これにより、全てのChatGPTユーザーがCanvasを使った文章作成やコーディングが可能に。左側のチャットエリアでChatGPTに指示を出し、右側のパネルで修正を確認しながら作業を進められる。 ■ 5日目：ChatGPT x Apple Intelligence Appleは、Apple Intelligenceの機能を強化したiOS 18.2、iPadOS 18.2、macOS Sequoia 15.2を提供開始。iPhoneやiPad、Macにおいて、AIを活用した様々な新機能が利用可能に。ChatGPTがWriting ToolsとSiriに統合され、ユーザーはアプリを切り替えることなくChatGPTを活用できるようになる。 ■ 6日目：Santa Mode & Video in Advanced Voice ChatGPTのモバイルアプリの「Advanced Voice Mode」においてビデオと画面共有に対応。これにより、ChatGPTと対話するだけでなく、カメラの情報を使った操作支援などが受けられるように。また、Adovanced Voice Modeの声に「サンタ」を追加。年末までの期間限定でサンタの声で会話できる。 ■ 7日目：Projects ChatGPTの新機能「Projects(プロジェクト)」は、GPT-4oを使って、トピックや文脈を共有するチャットを整理する機能。チャットのほか、ファイル、カスタム指示を1カ所にまとめて管理し、そのトピックに関連した情報をChatGPTから得られるようになる。 ■ 8日目：Search 検索機能の「ChatGPT search」を全ユーザーに提供開始。AIモデルとWeb検索を組み合わせ、モデルが学習していない最新のデータを含めた情報や対話による知見を得られるAI検索。10月から有料ユーザー向けに開始していたが、無料のユーザーも利用可能になった。 ■ 9日目：Dev Day Holiday Edition 開発者向けに最新モデルのOpenAI o1の新機能や、APIなどを発表。OpenAI o1とRealtime APIの改善、新たなファインチューニング方法などが含まれる。o1のAPIでは、関数呼び出し、開発者メッセージ、構造化出力、画像等のビジュアル処理機能を新たにサポート。 ■ 10日目：1-800-CHAT-GPT 電話とWhatsAppからChatGPTにアクセスできる新機能を発表。米国では、フリーダイヤルの 1-800-ChatGPT(1-800-242-8478)に電話して、ChatGPTと話せるようになる。月15分までとなるが、アカウントの登録などが必要なくChatGPTを利用できる。 ■ 11日目：Work with Apps macOS用のChatGPTデスクトップアプリにおいて、アプリ連携を強化。Apple Notes(メモ)、Notion、Quip、Warpなどの多くのノート作成アプリや、コーディングアプリをサポート。各アプリからChatGPTアプリにコピーペースト操作なしで、メモ等をコピーしたり、データの連携が可能となる。 ■ 12日目：OpenAI o3 and o3-mini 新モデル「o3」と小型モデルとなる「o3-mini」を発表。公開中の最高モデル「o1」よりはるかに高い性能を持ち、AGI(汎用人工知能)に迫る能力を持つとする。多くのベンチマークで既存のモデルを上回る性能を持っており、競技プログラミングでもOpenAIの研究者を超えるスコアを持つ。