TG戦突然の7回降雨コールド決定に虎党からも批判の声
雨の甲子園で6日に行われた今季初の伝統のTG戦は7回降雨コールドゲームで6-2で阪神が勝利した。中断やグラウンド再整備の時間が設けられることもない突然の宣告に原辰徳監督(62)が両手を上げて抗議、審判団に説明を求める場面もあった。ネット上では阪神ファンからも「結果は変わらなかったかもしれないが後味が悪い」という声が多く寄せられた。皮肉なことに雨でぬかるむマウンドと滑るボールに“キレて“しまい6失点した先発のエンゼル・サンチェス(31)と、7回を丁寧に投げ続けて今季初勝利した西勇輝(30)との集中力の差が明暗を分けた。
原監督は「WHY?」ポーズで抗議
雨の甲子園の大時計は8時36分を示していた。 審判団は雨が降り続けてるグラウンド上で日本一のグラウンド整備技術を誇る阪神園芸の金沢・甲子園施設部長と協議を行っていたが、その輪が解けると、橘高球審が突然ホームベース付近に進み出て右手を上げて降雨コールドゲームを宣言した。あまりに突然の宣告に納得のいかない原監督は三塁ベンチを飛び出して両手を広げて「WHY?」のポーズ。そして責任審判である真鍋塁審に説明を求めた。 その間に阪神メンバーは一塁ライン前に整列してファンに勝利の挨拶。「グランドコンディション不良により試合続行が不能になりましたので…」との場内アナウンスが流れた。 複数のスポーツメディアで報じられたコメントによると、原監督は「審判の最良の判断ということなんでしょう。グラウンド整備をしない状態で中止っていうことはなかなかないことなので」と抗議理由を明らかにした。プレーボールがかかった後の試合続行の判断は審判に委ねられている。試合開始前から強い雨が降り続け、途中、少しだけ雨足が弱くなった時間帯はあったが、何度もマウンドに土が入れられるなどの整備が続けられていた。先発の西が、1球、1球、スパイクの裏にこびりついた土を器具を使って落とさねばならないほどの最悪の状況にはあった。それでも、野球規則では「球審はプレイを中断した後、少なくとも30分を経過するまでは打ち切りを命じてはならない」と規定されている。「通常」の場合は、一度、ゲームを中断して天候の回復の様子を見ながら整備しグラウンドコンディションを再確認した上で、コールドゲームにするかどうかの判断が下されるのだ。 ルールブック通りであれば、この日の審判団の手順は間違いということになり、原監督の抗議も正しい。だが、一方で、セ・リーグのアグリーメントでは「降雨が激しく試合続行が不可能と思われたときには30分を待つことなく試合を中止することができる」とも定められている。曖昧なダブルスタンダードとも取れるが、真鍋塁審は、このアグリーメントに沿って「(グランド状態が)限界を超えている」と判断したようだ。しかし、ネット上では、阪神ファンからも原監督に同情の声が多く寄せられた。 「阪神ファンだが後味が悪い」、「9回までやっても結果は変わらなかったかもしれないが、この打ち切り方はひどい」、「7回裏までやって終了は納得いかないだろう」、「今日のコールドは中途半端」などコールド決定に至る審判団の手順の不手際を批判する意見が目立った。 昨年まで7年間、阪神のユニホームを着ていた評論家の高代延博氏も疑問を呈する。