「男性の育休取得は100%、でもたった5日だけ…」家事と育児は結局、妻の役目? 家でぶらぶら「取るだけ育休」対策考える企業も
男性の育休取得率は、2023年春に大企業で開示が義務化された。その結果を見ると、80%や100%といった高水準の数字が並ぶ。「仕事と育児の両立がしやすい職場環境」というアピールのように思えるが、実態はどうなのだろうか。 マンション住まいから9LDKの一軒家へ…コロナ機に増えた移住、実際の生活は? 今抱える悩み
そこで日本の主要113社にアンケートを実施。見えてきたのは、男性の育休期間が短すぎ、女性が圧倒的に長く休んでいる現実だ。ひどい場合では、男性が育休期間中に何もせず、家でごろごろしている「取るだけ育休」もある。 その結果、育休中の女性が育児と家事全般を一手に担い、職場復帰後もそのまま料理、洗濯、掃除に加え、子どもの送迎も引き受けがちになっている。男性育休の本来の狙いは家事・育児を夫婦で分担することだったが、「性別役割分担意識」が家庭にかえって定着してしまっている。なんのための男性育休なのか。(共同通信経済部ジェンダー平等取材班) ▽男性は3カ月未満が87% アンケートは2023年11~12月に実施した。 男女の違いで最も顕著なのは育休期間だ。過去1年間に男性社員が取得した子ども1人当たりの平均育休取得期間について「3カ月未満」と答えた企業を合わせると87%。一方、女性の平均は「6カ月以上」が計86%。「12カ月以上」でも6割近くを占める。
一方、大企業は昨年4月から男性育休取得率の開示が義務付けられている。そこで有価証券報告書の該当箇所をひとつひとつ調べると、アンケート対象企業のうち取得率が8割以上だった企業は50社を数えた。 男性の育休取得自体はそれなりに浸透してきているが、依然として女性が育児の中心的役割を担うという意識が根強いと言えそうだ。 ▽女性は18カ月以上の例も 次に、具体的な育休取得期間を選択肢ごとの割合で見てみる。回答を短い方から並べると、「5日未満」は2%。次いで「5日~2週間未満」が13%、「2週間~1カ月未満」が25%、「1カ月~3カ月未満」が47%、「3カ月~6カ月未満」は4%だった。「6カ月以上」は1社もない。(分割取得の場合は合算している) 一方、女性は、短いところでは「2週間~1カ月未満」が1%あったが、「3カ月~6カ月未満」が3%、「6カ月~12カ月未満」が27%。「12カ月~18カ月未満」は51%で過半数を占めた。「18カ月以上」も8%あり、復職までとても長い時間がかかっている。